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あるけど。 | |
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| | なんですかといわれてもいろいろなものがぐっちゃぐちゃにつんであるしなあ。 | |
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誰だよメアリーって。 | |
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| 上にある丘に住む竜のジョンは現代社会に鋭いメスを入れますか? | |  |
| | さっきから何を言ってるんだい。 | |
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| あ、ワトスン君。いたのか。 いやちょっと勉強中でね。 | |  |
| | なんだねそのわけのわからない勉強は。 | |
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英語だよ。 我々大英帝国に生まれ育った紳士が 英語のひとつも使いこなせないようでは 沽券に関わるからね。 |
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…君は、僕たちが話しているのが、 本当に、英語だと、思っているのかね? | |  |
| | う… | |
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| この言葉が、文字が、本当に英語かね? 本気で信じているのかね? | |  |
| | う…う…う… | |
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うわああああああああああっ! え、英語だっ!間違いなく英語だっ! 僕たちがこの20世紀初頭の大英帝国 ロンドンで、しゃべっているのは英語だっ!! | |
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…そうだ、それでいい。 もし、英語でないといった時には、僕は 君を殺そうと思っていた。 | |  |
| | なんでだよ。 | |
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ど、どうしたんだっ!? | |
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| しっ、動かないほうがいい。 僕のように経験を積み重ねた優秀で天賦の才を持った人間は、犯罪を計画している人間の気配があると、すぐわかるのだよ…。 |
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| | …それは、さっき君が僕を殺すとか言っていたそれじゃないのかね…。
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| | おい。 | |
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こーんにちわーっ! レーストレード警部でーっす!!!!
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| | あ、すいませんホームズさん… | |
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| | 実は、最近妙な事件が頻発してまして…。 | |
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ロンドン市内にすむギリシア語の通訳が次々に謎の失踪をしているのです。 | |
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ふみゅううううううううううう もふあああああああああ めがががががっがっががっが。 | |  |
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あの、ホームズさん? | |
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| | え、メガネですか。 | |
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| | 馬車の中で本を読んでたものですから… すいません。 | |
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| いや、いい、すごくいい。 いや、しかしメガネをかけるということはすなわち、ホプキンス君の目が悪くなっているということでもある。ホプキンス君の体が損なわれるというのは僕には耐えられない、ああ、どうすればいいんだ。 |
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| | それにしてもギリシア語の通訳だけが次々に消えるというのも妙な話だねえ。 | |
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| こんな時には僕が信仰するお眼鏡様のご神託を受けるほかない! | |  |
| | はい、一ヶ月前にアラン・マクレガーという青年の通訳が失踪して以来、ソーホー付近を歩いていたエドワード・ジャクソン通訳、そしてハーバードでギリシア語を専攻していた学生が三人と。 | |
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| 「お眼鏡にかなう」という言葉の語源ともなったお眼鏡様のご神託を受けるには、いけにえとして大量の眼鏡が必要だっ! | |  |
| | そして、ロンドン暗黒街に勢力を張り、大英帝国を転覆させ大ギリシア語通訳帝国を築こうと目論む、謎のギリシア語通訳秘密結社メラス団の構成員200人も謎の失踪を。 | |
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| ああ、しかしいけにえのメガネを調達しようにも、ひとつはワトスン君、ひとつはハドスン夫人を殴打して奪取するにしても、ホプキンス君のメガネを奪うなんてことは僕にはとてもできないっ!どうすればっ!どうすればいいんだっ! |
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むしろ失踪したほうの人間が謎だろう。 | |
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突然合流するなよ。 | |
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| これがもしひとつの大きな事件と考えると、大勢のギリシア語通訳が必要となるような計画が影で動いているということじゃないのかな。 |
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でも、大勢のギリシア語通訳が必要になる計画って、いったい何があるんでしょうか…? | |
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| そうだな、たとえば大量のギリシア語通訳を集めて謎の秘密結社を作り、大英帝国を転覆させ大ギリシア語通訳帝国を建設しようと目論むとかだな… |
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それはさっき言ったぞ。 | |
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| とにかくそれだけたくさんの人間をさらったんだ、どこかに手がかりぐらいは残されているはずだよ。それを落ち着いて分析していこうじゃないか。 |
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そうですね、現場の状況の報告書はここに… | |
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う、結構分厚いな。 しかし先ほどまでホプキンス君が読んでいたものとあればがんばって読めそうだな。 | |  |
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いえ、私が読んでたのはこの、 「刑事でもできるギリシア語通訳講座」という本で… キャッ!? | |
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ああっなんだホプキンス警部をさらっていったあの黒尽くめの男たちは!? ということは、この本を読むと、もうギリシア語通訳として扱われるのか!? | |
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| うぬぬぬぬぬぬ! 許さんッ!相手が誰であろうとも、ホプキンス君に指一本でも触れる奴は、たとえ相手がマッサージ師でも許さん! あとを追うぞっ! |
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といってもものすごいスピードだったぞあいつら。 | |
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| なに、気にするな、奴らがどこに行こうが、この「刑事でもできるギリシア語通訳講座」を読めば、やつらのほうからやってくる!そこでやつらの尻尾をつかむのだ! |
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なるほど! | |
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はいっ! | |
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| | はいっ! | |
| | この本を読むために、僕に『刑事語』を教えるんだっ! |  |
| | あるのか刑事語!? | |