}【これまでのあらすじ】 |
さっさと着いてくれよ。
| がたんごとんがたんごとん。 |
おいまさか。
| うーむ、鉄道で大英帝国も狭く感じるようになったとはいえ、さすがに長時間乗っていると飽きるな。 |
何を怒ってるんだ、ワトスン君。
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| そのとおりさ。 |
どうしてだい、実際に起こったことを省略するなんてできないさ。 |
何も起こらない鉄道ないでの情景をただ延々と聞かされても仕方がないだろうがッ！
| いいじゃないか別に。 |
| それが人生というものさ。 |
| あー、「これが人生だ弁当」はおいしいなあ。 |
お前も飯ばっかり食うなっ！
長い列車の旅、楽しみと言ったら飯ぐらいしかないさ。 |
いくら何でも西サセックスはそこまで遠くないだろうが！
| まあ落ち着いて飯でも食えよ。 |
やかましいっ！
| 見たまえ、この大英帝国の美しい自然。これを見ていれば心も落ち着くというものさ。 |
| じゃあこの美しい景色弁当を。 |
飯はもういいっ！
| 美しい小麦畑をあらわしたフィッシュ＆チップス、そして大地をあらわしたローストビーフ、抜けるような青空をあらわしたフィッシュ＆チップス、そしてそこに浮かぶ白い雲をあらわしたローストビーフ…。 |
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大英帝国だから仕方ないよ。 |
| はっ。 |
| おとなしくしろっ！ |
わっなんだなんだ。
| 我々は秘密組織赤いドラゴンのものだっ！この列車は我々がのっとったっ！ |
いや、それはおかしいだろう？ |
何がだよ。
| ハイジャックというのは飛行機を乗っ取ることがハイジャックじゃないのか。 |
| そうなのか？ |
うーむなるほど。 |
| 何をごちゃごちゃ言ってるんだ！おとなしくしろっ！ |
| いいか！この列車はこれからエディンバラに向かうッ！ |
エディンバラっていったら西サセックスの反対、ロンドンから北じゃないか。
そうだ、真北だっ！ |
最初からエディンバラ行きの列車に乗れば良かったじゃないか。列車なんだからそうそう行き先変えられないし。
| もちろんこのハイジャックと事件は何の関係もないからそう思えっ！ |
まあ仕方がないな。エディンバラまで行って解放されてから西サセックスまで行くとしよう。 |
だから省略しろとあれほど。
| うるさいぞそこっ！ |
だからもういいよ。
| この「人質弁当」でも食ってろ！ |
親切なハイジャックだな。
| な、なんだいこれはっ！ボルドー風子牛の煮込み、ロレーヌ風キッシュ、フォアグラのテリーヌ、キャビア… |
しかもワインまで！ |
| き、きさまなぜそれを！ |
| くそう、こうなったらやけくそだっ！ |
だから何で僕の言動に影響されるんだ。
進路変更だっ！ベイルートへ向えっ！ |
やめんかっ！