ふたご1

「しましま図画のしまじろう。」

ふたご2 「図画をとがと読むのはわいせつ図画の時だけですよ。」

ふたご1 「アメリカのカリフォルニア州パロアルト市議会に政治討論で眉を上げたり、
高笑いやつくり笑いを浮かべたりするなどの表現行為を全面的に禁止する
議員規則が提出されたそうですよ。 」

ふたご2 「ほほう。討論の時の身振りなどの表現行為の演出は
強いですからね。 」

ふたご1

「そうですね。ヒトラーなどはそれで天下を取ったようなものです。
ロシア革命の際もトロツキーの演説は列車に乗っていた
すべての兵士を革命側に味方させたものです。
本来の演説の中身より身振り手振りや表情のほうが
強い印象を人は受けるものですからね。 」

ふたご2 「こういう法律ができると本来の議論ができるようになりますね。
日本でも導入したらどうですか。 」

ふたご1 「ですがまだまだ不十分ですね。真の民主主義を導入する
ためには、議論以外の先入観を持たせるようなものは徹底的に
排除する必要があります。それに民主主義というのはそれぞれの
国情にあったものが必要なのです。 」

ふたご2

「はあ、とするとどんな規則を作ればいいんですかね。」

ふたご1 「まず、身振り手振りは、専門の教官について、
同一の身振り手振りを習ってもらいます。 」

ふたご2 「レッスンいりますか。」

ふたご1

「そして発声方法も専門の教官について
習ってもらいます。 」

ふたご2 「はあ。」

ふたご1 「そして、表情がわからないようにお面をつけてもらいます。」

ふたご2 「お面。」

ふたご1 「これで準備は完璧です。さあ、議論してもらいましょう。
「いよ〜〜〜〜〜っ、こ、い、ず、みのおおおお〜〜」
ポン! 」

ふたご2 「能かっ!」

ふたご1

「国会の電脳化の前に能化をおしすすめるべきでは
ないのか―――――― 。要路者の猛省を促したい。」

ふたご2 「やかましい。」

ふたご1

「それまでの前段階としてお面無しの狂言化を提言したい。」

ふたご2 「そんな段階踏まんでいいから。」

ふたご1

「狂言内閣不信任案決議や2004年度狂言予算案修正決議が
できるのに? 」

ふたご2 「何もかも嘘臭く聞こえるからやめろ。」

ふたご1 「そうですか…。これで国会の能化、狂言化計画は…
微塵になりましたああああ、えっ、えっ、えっ。 」

ふたご2 「もう何もわからんよ。」

ふたご1 「幕末の長州藩で高杉晋作によって結成された軍隊、
奇兵隊が訓練に用いたとされる曲の楽譜が発見された
そうですよ。 」

ふたご2 「楽譜ですか。」

ふたご1

「太鼓をたたくリズムによって前進したり後退したりするそうです。」

ふたご2 「江戸時代のほら貝などからかわっていく途中だったのですね。」

ふたご1

「そう、西洋の軍隊には音楽はつきものです。行進曲というのは
軍隊の行進の時に使う曲ですからね。それを日本の軍隊である
奇兵隊に導入したのが高杉晋作です。
いわば高杉晋作は日本における「行進曲の父」というわけですよ。」

ふたご2 「なるほどねえ。」

ふたご1 「その後日本海軍が整備されるまで、奇兵隊の音楽は
日本のミュージックシーンをリードしつづけたわけです。 」

ふたご2 「ミュージックシーンかよ。」

ふたご1 「パチンコ屋の音楽も奇兵隊行進曲でしたし。」

ふたご2

「軍艦マーチで無く。」

ふたご1 「当時の首脳達の着メロもみんな奇兵隊の曲で。」

ふたご2 「まあミュージックシーンのリーダーだから。」

ふたご1 「やがては町角で若者が座り込んで奇兵隊の曲を演奏。」

ふたご2

「まあそうなりますかね。」

ふたご1 「やがては高杉晋作が日本音楽界を征服してもおかしくは
なかったわけです。しかし、歴史はそうはならなかった。
なぜか。 」

ふたご2 「なぜですか。」

ふたご1

「残念ながら奇兵隊が解散してしまいましてね。」

ふたご2 「ああ、音楽性の違いで。」

ふたご1 「先に言うな!」

ふたご2

「誰でもわかりますよ。」

ふたご1 「しかしまあ音楽性の違いは往々にして表向きの理由である事が
多いですね。 」

ふたご2 「解散時の飲み会でギターがベースを殴ったりしますからね。」

ふたご1 「本当の理由はいつまでも奇でなくて「普通の兵隊に戻りたい」
と、いうことだったのですね。」

ふたご2 「へー。」

4月11日、国会議事堂の地下には水が張られています。では、能楽堂の地下は?
 

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