ふたご1 |
「そういつまでも春になったらさらさら行くと思ったら大間違いです! |
ふたご2 | 「まあそんなこんなで4月なわけですが。」 |
ふたご1 | 「鮭が生まれ故郷の川に遡上するのは、川の中に含まれる アミノ酸をかぎ分けているのだということを栗原青森大学学長らの グループが解明したそうですよ。 」 |
ふたご2 | 「ほほう。そんなに違うのですかねアミノ酸は。」 |
ふたご1 |
「まあ人間にはわからないレベルですが、違うのでしょうねえ。 |
ふたご2 | 「アミノ酸というのはたんぱく質が分解されたものなのですよ。 ですから草や木や魚や獣の体から出ているのですよ。 」 |
ふたご1 | 「ほほうそうなのですか。」 |
ふたご2 | 「最近はアミノ酸飲料なんかも多いですしね。」 |
ふたご1 | 「ということは我々が普段使っている風呂や温泉にも アミノ酸が大量に含まれているということなのですね。 」 |
ふたご2 | 「まあそうなりますねえ。」 |
ふたご1 |
「…どうしますか、まちがって鮭が風呂の中にやってきたら。 |
ふたご2 | 「いや、まず鮭が入ってくるルートが無いから。」 |
ふたご1 | 「どうしましょう。このまま彼を生まれ故郷の川に かえしてやったほうがいいのか。それともいっそこの風呂の中で 飼ってやったほうが彼にとって幸せなのか。 」 |
ふたご2 | 「いや、まずそんなことは無いから。」 |
ふたご1 | 「葛藤する私。私を見つめる鮭。そんなことをしている間にもお湯は どんどん油くさくなっていく…。」 |
ふたご2 | 「出てるよ、アミノ酸が。」 |
ふたご1 |
「悩んだあげくに川に戻してあげる事にしました。 |
ふたご2 | 「すでに火が通ってるからね。」 |
ふたご1 |
「その次の年から、その川にはいっぱいの鮭が上ってくるようになったのでした…。 |
ふたご2 | 「無い話を思い入れたっぷりに語るな。」 |
ふたご1 |
「栃木県日光市の輪王寺で恒例の強飯式(ごうはんしき)が |
ふたご2 | 「どんな式なんですか。」 |
ふたご1 | 「山伏が山盛りにしたご飯を人々に「残さず食べろ」と強いる式 だそうです。 」 |
ふたご2 | 「変わった式だなあ。何でまたそんなことが。」 |
ふたご1 | 「これはですね、昔は今のような水に米をつけてお釜で炊くのが 主流でなかった時代に端を発するのです。」 |
ふたご2 | 「そんな時代がありましたか。」 |
ふたご1 |
「まあ大体平安時代ごろまではそんな感じでしたね。 |
ふたご2 | 「おこわの「こわ」ですかね。」 |
ふたご1 |
「でも姫飯のほうが柔らかくて食べやすいですよね。 |
ふたご2 | 「なるほどねえ。」 |
ふたご1 | 「で、この情勢に危機感をもったのが、甑業界です。 」 |
ふたご2 | 「あったのか甑業界。」 |
ふたご1 | 「なんとかして強飯を食べてもらわないと、甑業界の浮沈に かかわります。そこで、浮かんだのが山伏です。」 |
ふたご2 |
「ここで強飯式とつながりますか。」 |
ふたご1 | 「何しろ当時の山伏は絶大な人気がありましたからね。」 |
ふたご2 | 「人気とかそういうもんじゃないでしょう、山伏は。」 |
ふたご1 | 「平安末期には源義経も山伏のコスプレをして大人気に なったぐらいです。」 |
ふたご2 |
「いやそれは逃げるときの変装で。」 |
ふたご1 | 「おりしも当時は巨ほら貝ブームで大きなほら貝の山伏が 大人気。 」 |
ふたご2 | 「ほら貝で人気があ?」 |
ふたご1 |
「小さいほら貝を持つ山伏はこうよせてあげて巨大なほら貝に |
ふたご2 | 「グラビアアイドルか。」 |
ふたご1 | 「で、そんな山伏たちに強飯の普及をアピールしてもらうために 山伏と強飯のタイアップが始まったわけですよ。もう山伏は どこに行くにも強飯。海で山で強飯。ドキッ大胆初強飯。 」 |
ふたご2 |
「うっとうしいなあ。」 |
ふたご1 | 「しかしまあ歯ごたえのある強飯を食べるには丈夫な歯がないと いけないですね。ですから年をとった山伏には強飯は少々きつい。」 |
ふたご2 | 「まあそういうこともあるでしょうが。」 |
ふたご1 | 「で、次の段階にステップアップするためといって、強飯を卒業するのが 強飯式のはじまりだったのですね。」 |
ふたご2 | 「今とぜんぜん違うやないかっ!!」 |
4月4日、のどのほとけさんがしゅわしゅわと。 | |