ふたご1

「どこにいるかみんな知ってる、どこに行くか誰も知らない。」

ふたご2 「まっしろ団のうたかね。 」

ふたご1

「イギリスの裁判制度が大きな大問題に直面しようとしていますよ。」

ふたご2 「なんなんですか。 」

ふたご1

「裁判官や弁護士が裁判の際に義務付けられていた、
白いかつらの着用制度が廃止されるかもしれないのです!」

ふたご2 「ああ、そういえばそんな風景を見たことあるような。」

ふたご1 「音楽室の音楽家肖像のかつらの伝統を今に残す、
この美しき風景が、単に暑くて蒸れるからという理由で
廃止してよいものでしょうか。」

ふたご2

「まあそれが原因で本当にかつらをかぶらなくては
ならない人もいるでしょうし。 」

ふたご1 「裁判というのはですね、判決の前例をもとにして
判断を下すことが多いのですよ。そんな裁判所が
伝統を無視しては野放図でその場しのぎの判決が
出回ってしまうようなことになるではないですか。」
ふたご2 「ははあ、そういうものですかね。」

ふたご1

「ですから日本の裁判ももう少し伝統に
のっとってほしいものです。 」

ふたご2 「といいますと。」

ふたご1 「煮えたぎる湯の中の石を取り出すくらいのことは
やってほしいものです。」

ふたご2 「せめて長裃に桜吹雪の刺青くらいにしてくれないかなあ。」

ふたご1 「イギリスでは被告を大きな石にロープで縛り、川に投げ入れて
浮かべば有罪、沈めば無罪としているというのに? 」

ふたご2 「してないでしょう。」

ふたご1

「とにかく、裁判の伝統を無視していると、人間より過ちが少ない
からといってマザーコンピューターに人間を裁かせ、やがてそのコンピューターに
人類が支配されるようになってしまいますよ。」

ふたご2 「古いSFだなあ。」

ふたご1

「ですからイギリスの裁判官には断固としてかつらを
かぶり続けてもらわねばなりません。 」

ふたご2 「そうはいってもねえ。」

ふたご1

「では屋号を「桂」にしてもらうことで妥協を。」

ふたご2 「桂・ジョージ・アンダーソン裁判長ってアホッ!」

ふたご1 「世界中の裁判官の屋号が桂だったら…
裁判での醜い争いなどなくなるのに… 」

ふたご2 「裁判所やなくて別のところに行きますからね。」

ふたご1 「パイオニアが運転者の好みや行動パターンを学習、記憶する
カーナビを発売するそうですよ。 」

ふたご2 「どういう風に役に立つんですか。」

ふたご1

「たとえば、『いつ』、『どこへ』、『誰と』ドライブするかという
データを入れると、過去の行動パターンや、その他の条件から
最適なルートを見つけ出すというわけなのですよ。 」

ふたご2 「カーナビも賢くなったものですねえ。」

ふたご1

「これからもどんどん賢くなりますよ。たとえば運転手の心理状態を
読み取ったりしてね。 」

ふたご2 「そこまでできますか。 」

ふたご1 「運転手が暗い気持ちの時にはどんどん薄暗い裏道に
案内してくれます。 」

ふたご2 「さらに暗くしてどうする。」

ふたご1 「そして運転手が眠たくなってきた時にはふかふかの道に
案内してくれます 。」

ふたご2

「なんなんだふかふかの道。」

ふたご1 「このようにいたれりつくせりのカーナビ。ほしいでしょう。」

ふたご2 「まあ親切なカーナビはいいですけどね。」

ふたご1 「甘ったれるなあっ!」

ふたご2

「わあっ。」

ふたご1 「そんなカーナビに頼り切ってどうする!
使えるからといってカーナビに道案内をさせていると、
やがてそのカーナビに人類が支配されるようになって
しまうのだ!」

ふたご2 「なんだかさっきも同じようなことを聞きましたが。」

ふたご1

「カーナビに人類が支配されたらどんな恐ろしいことが
起こるかわかっているのか! 」

ふたご2 「まったくわかりませんが。」

ふたご1 「いいか、カーナビに全人類が支配されてしまうとだなあ、」

ふたご2

「支配されますと。」

ふたご1 「カーナビの道へと自動的に案内されてしまうのだぞっ!」

ふたご2 「…なんですか、そのカーナビの道って。」

ふたご1 「両親を悪い地図に殺されてしまったナビゲーションシステム、
ウォンリーはカーナビの達人ダオ老師の下に入門する。
かたきをとるためにカーナビの道を極めようとするウォンリーだが、
ある時、とんでもないものを目撃してしまう…」

ふたご2 「今夜の番組案内じゃねえか。」

5月9日、ぐうぐうぐう。
 

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