ふたご1

「去年年が明けたと思ったらもう10月ですよ。」

ふたご2 「もうの間に1年と10ヶ月たってますよ。」

ふたご1

「東京都の校長昇任試験でカンニングをした教頭が、平教諭に
降格処分になったそうです。 」

ふたご2 「先生でもするんですねカンニング。そりゃ降格されても仕方ない
でしょう。」

ふたご1

「いえいえ、普通、生徒がカンニングしただけでは生徒から児童に
格下げになったりしないでしょう? 」

ふたご2 「というかどんなことしてもされませんよ。」

ふたご1 「その後の調査に対してその教頭はどうも煮え切らない態度をとっていた、
非協力的でもあり、カンニングも認めなかったというのが教頭にふさわしく
ないというのが降格の理由なのです。」

ふたご2

「なるほど人間性ですか。」

ふたご1 「そう、教頭なら教頭らしく、堂々とした態度でカンニングをしろという
ことなのですよ。 」

ふたご2 「そもそも教頭がカンニングをしてはいかんと思うのですが。」

ふたご1

「教頭らしさ。それは
たとえば新任の熱血漢教師がやってきたとします。
そいつに対して『ふん、我が校にはわが校の伝統というものがあるんだ。
あんまりそれを乱すようなまねはしてもらいたくないものだね!』と。 」

ふたご2 「その教頭像はずいぶんと古いですよ。」

ふたご1

「そしてその教師が校長に気に入られているので、その些細なミスを
『こ、これは我が校の威信にかかわる問題です!』と大騒ぎして
校長派の追い落としを図り、自分が校長になろうとしてこその教頭です。
これをカンニングの時にも生かせばよかったのです。 」

ふたご2 「どうやってそんなのを生かすんですか。」

ふたご1 「まずはカンニングのために事前に机に公式とかを書いておきます。」

ふたご2 「校長の試験でも公式とか使うんですか。」

ふたご1

「それを試験官が発見します。その時の対応はこうです。
『なっ、なんだこれは!これはきっと私にカンニングの濡れ衣を着せて
追い落とそうとする校長派の陰謀に違いない!』」

ふたご2 「ぜんぜん往生際よくないですが。」

ふたご1

「で、なんだかんだあって試験官は学校を辞めることになります。」

ふたご2

「そもそも試験官は学校に勤めている人なのですか?」

ふたご1 「駅に向かおうと河川敷を歩いている時に、たくさんの校長受験生が
試験官を取り囲みます。
『生ハム!やめんなよ!』『そうよ、生ハムがいなくなったら、
私たちこれからどうすればいいの!? 』『生ハム!』『生ハム!』
口々に試験官をひきとめる校長受験生達。」

ふたご2 「生ハムというのは試験官のあだ名ですか。」

ふたご1 「それを遠くから校長の横で見て、校長の
『見たまえ、受験生達が、あんなに彼のことを慕っている。
本当の校長昇格試験というのは、ああやって、受験生一人一人の
心に響くものが、本当の試験なんじゃないかね。 』
と、それを聞いてうなだれてこそですよ。 」

ふたご2 「試験ぐらいで何を大げさな。」

ふたご1

「これをマスターすれば、あなたも今日から教頭の中の教頭、
終身名誉教頭も夢ではないですよ!」

ふたご2 「結局校長にはなれないんですね。」

ふたご1

「大阪住友セメントが水を使わずに固まるセメントを開発したそう
ですよ。」

ふたご2 「水がなければ乾くのも早いですしね。」

ふたご1

「おや、ここにちょっとした誤解が。」

ふたご2 「誤解ですか。」

ふたご1 「セメントというのは、どろどろのものから水分が抜けることによって
固まるのではなく、水と化学反応をすることによって固まるのです。 」

ふたご2

「へえそうなんですか。」

ふたご1 「つまり水と反応させなければセメントは固まらないのですから、
セメントを使うためにはまず水で溶かなくてはいけない、
これでは気軽にセメントを使うというわけにはいきませんね。 」

ふたご2

「いろいろと準備も必要ですね。」

ふたご1

「そうかといって水と混ぜただけのものを売り出すわけにもいきません。
単純に水と混ぜただけではすぐに固まってしまうからです。
ミキサー車のようなもので運ばなくてはいけませんから。 」

ふたご2 「そこに出たのが水を使わなくても固まるセメントですね。」

ふたご1

「そう、この技術を使えば、手のひらサイズの容器や、チューブに
入ったセメントなども開発できるわけですよ。
これからは携帯型セメント時代ですよ! 」

ふたご2 「…いや、携帯してどうするんですか。 」

ふたご1 「おやこれは。こんなところに過去から学ばない人が。
いいですか、携帯電話ができた時も
『電話を携帯してどうするんだ』という人たちがたくさんいたものです。
しかし、今では大半の人が持っているのです。
決してニーズにこたえるだけの商品なわけではないのです。
携帯型セメントは、ニーズを作り出す商品なわけなのです。 」

ふたご2

「はあ、とするとどんなニーズが生まれるんですか。」

ふたご1 「つまり個人で簡単にセメントが扱えるわけですから、これまで
企業でしかできなかった建築の分野が身近になります。 」

ふたご2 「はあそれで。」

ふたご1

「ですから昼休みにちょっと軽く会社のビルを増築してみたりとか。 」

ふたご2

「そんな屋上バレーボール感覚の部分にいたくないですよ。」

ふたご1 「同僚が病気で入院した時も、早くよくなってねと千羽ビルですよ。」

ふたご2 「迷惑以外の何物でもないですよ。」

ふたご1

「電車の中での駅ビルの建設はご迷惑ですからおやめください。」

ふたご2 「そんな世の中が来ないことを願ってやみませんよ。」

10月17日、セメントとコンクリートの違いは、ごはんとまぜごはんのようなものですか。

 

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