「ドラゴンボールを手に入れた喜びも半減ですよ。」
「そうなんですか。」
「なんと2004年の倍という1322社でCEOが退任しているそうです。」
「よくは知りません。」
「知っておいてください。」
「不祥事やなんやらで経営責任を取らされるケースが多かったと分析されています。」
「そうです。それはあまりにも不自然です。アメリカの景気が前年に比べて極端に悪くなったわけではないのですから、これは経済要因以外になにか特別な原因があるのではないかと思われます。」
「5年前は2000年です。」
「当たり前です。」
「2000年といえば2000年問題です。」
「ありましたねそんな話も。」
「2000年問題とは昔のコンピューターが西暦の下２桁を使っていたために、2000年と1900年の区別がつかなくなってそれはもうたいへんなことになってしまうといわれた問題です。」
「会社で使っているコンピューターがもうたいへんなことになってはもうたいへんです。最高経営責任者たるもの、そういった対策をとらないわけには行きません。」
「そこで最高経営責任者は対策を立てるために、パソコンショップへ対策ソフトを買いに行きます。」
「自分で行くんですか。」
「それが企業不祥事隠蔽ソフト、『いんぺい君』です！」
「あるのかそんなの。」
「あるかどうかはともかく。」
「ともかくにするか。」
「そんな夢のようなソフトを見てしまったら、買い物かごに入れてレジに行ってしまう最高経営責任者を誰が責められましょうか。」
「すると高性能ソフトなのであっという間に不祥事が完全に隠蔽できます。5万円近い値段のするソフトは違いますね。」
「アドビのフォトショップの半額ですよ。」
「そして2005年、たいへんなことが起きたのです。」
「なんですか。」
「ソフトが停止してしまっては、社長も隠蔽した不祥事が発覚していくのをただ呆然と見ているほかありません。」
「代金を振り込んでソフトを使えるようにするとかあるでしょう。」
「アホらしい運命ですね。」
