「百歩譲って同意できるのは皮までです。」

「油ですか。」

「家畜のえさや塗料やせっけんにするそうです。」

「一店舗が一月に５５．４ｋｇの廃油を出すそうです。」

「そんなにも。」

「いろいろと使いますからね。から揚げを揚げたり。」

「がんもどきを揚げたり。」

「化け猫がなめたり。」

「化け猫？」

「化け猫は火に弱いと見抜いて火をつけるのに使ったり。」

「火を？」

「化け猫を倒した祝いに、気の合う仲間と一晩中油盃を交わして盛り上がったり。」

「そしてその飲み代を支払うために油紙で封筒を作る内職をしたり。」

「思いのほかいい稼ぎになったので、ハワイに行くための航空機の燃料に使ったり。」

「航空機？」

「そうして出た廃油をリサイクルしてせっけんに！」

「リサイクルの前に正しい使い方をしろ！」

「大建工業が和紙主原料の畳表の生産量を増加させるそうです。」

「和紙ですか。」

「本来は畳表にはイグサと言う草を使うのですが、国内での産出量が減少していることもあって、代わりに和紙を使っているのだそうで。」

「そうなんですか。」

「こうした材料を使うことによって暖房畳などの新しいジャンルの畳もできたわけです。」

「なるほど。」

「新しいジャンルの畳を生み出すために新しい材料での畳を考えましょう。」

「そうしますか。」

「ギターの弦を使った弾ける畳とか。」

「やかましくてしかたありません。」

「いざという時の前に血まみれですよ。」

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