ふたご1 |
「エイプリルフール!一年に一度、嘘を書いた米粒を蒸してうすと杵でついてきなこをつけて食べてもいい日!」 |
ふたご2 |
「いいといわれてもお断りします。」 |
ふたご1 |
「アメリカのミズーリ大学などのチームが、遺伝子組み換えによって魚の脂肪をもつ豚を生み出したそうですよ。」 |
ふたご2 |
「脂肪ですか。」 |
ふたご1 |
「よく言いますね、魚の脂肪には体にいい成分があると。」 |
ふたご2 | 「DHAとかですか。」 |
ふたご1 |
「この技術を生かせば、魚の嫌いな人にも体にいい脂肪をとってもらうことができるわけです。」 |
ふたご2 |
「まあそうですね。」 |
ふたご1 |
「ゆくゆくは野菜の嫌いな人のためにも、野菜の成分を含んだ豚もできるでしょう。」 |
ふたご2 | 「野菜ですか。」 |
ふたご1 |
「そうかと思えば豚の成分を含んだ野菜も。」 |
ふたご2 | 「そこまでいきますか。」 |
ふたご1 |
「これが進んで行くと人間の社会構造は大きく変わることになります。」 |
ふたご2 | 「そうかもしれませんねえ。」 |
ふたご1 | 「レバニラ炒めも、レバーの成分を持つニラとニラの成分を持つレバーが炒められることに。」 |
ふたご2 | 「いや、そんなわけのわからない方向に変わられても。」 |
ふたご1 |
「レバーにレバーの成分を持たせる方向に変わってもしかたないじゃないですか。」 |
ふたご2 |
「すすめても向かいませんよその方向には。」 |
ふたご1 |
「こうやって互いの成分を持ち合うことで料理がより渾然一体となり美しいハーモニーを生み出すのではないかということです。」 |
ふたご2 |
「そうなんですかねえ。」 |
ふたご1 |
「枝豆にはビールの成分を、ビールには枝豆の成分を。」 |
ふたご2 |
「そこまでですか。」 |
ふたご1 |
「枝豆はビールにつきものなのですから、お互いに成分を共有すればさらによいハーモニーがえられるかもしれないではないですか。」 |
ふたご2 | 「そうですかねえ。」 |
ふたご1 |
「蕎麦にはわさび、うなぎには山椒、豆腐には麻婆を。」 |
ふたご2 |
「麻婆?」 |
ふたご1 |
「食パンには転校してきた生意気だけどちょっと気になるアイツの成分を。」 |
ふたご2 | 「未来では昔の少女漫画的状況がつきものにはならないと思いますが。」 |
ふたご1 |
「文部科学省が『デートに使える科学ネタ』を集めた無料情報誌サイエンスウォーカーを作ったそうですよ。」 |
ふたご2 |
「デートにですか。」 |
ふたご1 |
「理科離れが進んでいるということなので、科学への関心を深めてもらおうと言うことなのでしょう。」 |
ふたご2 |
「なるほど。しかしデートに使えるというのはどういうことなんでしょうか。」 |
ふたご1 |
「科学ネタを会話の端々にはさむことで、会話も盛り上がり、思わぬ効果も得られるということなのです。」 |
ふたご2 | 「たとえばどんなふうにですか。」 |
ふたご1 |
「ほら、みてごらん、きれいな夜景だろう。」 |
ふたご2 | 「いちいちコントに入らなくてもいいですよ。」 |
ふたご1 |
「あの街の光一つ一つが電気によってついているんだよ。」 |
ふたご2 |
「それはそうですが。」
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ふたご1 |
「そんな風に、電気を使えるようになったのはイタリアの科学者、ボルタのおかげなんだよ。」 |
ふたご2 |
「はあ。」 |
ふたご1 |
「ボルタは世界で初めて電池を作った人間なのさ。」 |
ふたご2 |
「はあ。」 |
ふたご1 |
「そんなボルタの発明の元になったのがカエルの足さ。カエルの足に二種類の金属板をあてることによって電流が発生する現象を調べる過程で、ボルタは電気の発生のメカニズムに気づいたのさ。」 |
ふたご2 |
「はあ。」 |
ふたご1 |
「でも、君の瞳はそんなカエルの足が元になって生み出された電気でできた夜景よりずっと綺麗だよ。」 |
ふたご2 |
「やかましいわ。」
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ふたご1 |
「さあ、僕もエジソンのようにモールス信号でプロポーズするよ!返事を発信しておくれ!」 |
ふたご2 |
「肉声で断わられるわ。」 |
3月31日、ワトスン君すぐ来てくれ。 |