ふたご1

「さみだれ!さみだれ!式!」

ふたご2

「五月雨式というのは『さみだ』しろと、陰陽道の使い魔である式神に命じることではありません。」

ふたご1
「映画の問題が広がっているそうです。」

ふたご2

「何の映画ですか。」

ふたご1

「タイで作られた映画なのですが。」

ふたご2
「絵の映画ではなくて。」

ふたご1

「隣国のラオスがワールドカップに出場するという内容の映画が、ラオス人の怒りを買って全国公開が中止されたそうです。」

ふたご2

「そうなんですか。」

ふたご1

「今回の大会の一次予選でも、ラオスはイランに7-0で敗れるなどと、正直言ってあまり強い国ではありません。そんな国がもしワールドカップに出たら…という内容のコメディ映画なのです。」

ふたご2
「クールランニングのようなものですか。」

ふたご1

「タイ人監督とタイ人コーチがやってきてラオスをワールドカップに導くという筋なのですが、タイは東南アジアサッカー界の盟主であるという自負があるので、そういった格差意識をラオス側もうけとってしまったのではないかともおもわれます。」

ふたご2
「なるほど。」

ふたご1
「このままでは領国の間にギクシャクしたものが残ってしまいますので、なんとか解決するべきだと思います。」

ふたご2
「どうやってですか。」

ふたご1
「それはやはり、ラオス人監督とラオス人コーチがタイ代表を世界に導くという内容の映画を作るほかないではないですか。」

ふたご2
「安直な考えですね。」

ふたご1

「しかしながら問題はラオスが何が強いかよく知りません。」

ふたご2

「それは君自身の問題では。」

ふたご1

「ここはラオスに何かに強くなってもらうことが一番の早道でしょう。」

ふたご2

「ラオス側の都合も考えてくださいよ。」

ふたご1

「たとえば滋賀県彦根市のみで隆盛を極める卓上ゲーム・カロムをラオス中で大流行させれば世界はすぐそこです。」

ふたご2
「世界というか彦根市ではないですか。」

ふたご1

「もしそれができないとなれば、ラオス発の新しい競技を作るほか無いですね。」

ふたご2
「それはよりめんどくさそうですが。」

ふたご1

「そこでラオスボールという新スポーツを提唱します。」

ふたご2

「また安直な名前ですね。」

 

ふたご1
「ラオスの国章にも描かれている米を炊き、丸くボールのようにします。」

ふたご2
「おにぎりですか。」

ふたご1

「別名ライスボールとも呼ばれます。」

ふたご2

「やっぱりおにぎりじゃないですか。」

ふたご1

「この競技もそのことからライスボールとも呼ばれます。」

ふたご2

「ややこしいなあ。」

ふたご1

「ライスボールを崩さないように相手側ゴールまで運べば30点入ります。」

ふたご2
「はい。」

ふたご1
「このとき、中にラオス特産の竹細工が入っていれば20ポイントプラス。」

ふたご2

「露骨なラオス人びいきだなあ。」

ふたご1

「選手がラオス人なら40ラオスポイントプラス。」

ふたご2

「ますます露骨に。」

 

ふたご1

「コーチがタイ人なら34飜追加、監督がタイ人なら302ディナールポイント追加、国の発電が水力発電が主力なら340ワット追加。」

ふたご2

「さっきからポイントとかワットとか単位がばらばらですが。」

ふたご1
「それを換算して初めて真の得点になります。」

ふたご2
「ややこしいと普及しなさそうですねえ。」

ふたご1

「そこはラオス人の会計士がすっぱりと換算してくれます。」

ふたご2

「ますますラオス人有利じゃないですか。」

ふたご1
「決勝戦では世界各地のラオス代表が激突するわけです。夢のようです。」

ふたご2

「世界大会の意味ないですよ。」

 

ふたご1
「ラオス代表とラオス国彦根市代表の勝負の行方は!?映画館へ急げ!」

ふたご2
「急いでもねえ。」

5月19日、全ラオが泣いた。

SAKANAFISHホームへ

過去のふたご対談