ふたご1

「風車の弥七役で知られた俳優の中谷一郎さんは『ミンクさん』というあだ名でよばれていたそうです。」

ふたご2

「シルクさんではありません。」

ふたご1
「イスラエルなどの調査チームが、ヨルダンの渓谷で世界最古と思われる、人間が栽培した農作物の化石が見つかったそうです。」

ふたご2

「麦か何かですか。」


ふたご1

「それがイチジクだったそうなのです。」


ふたご2
「それは意外ですねえ。」

ふたご1

「まあ確かにそう腹持ちのいいものではありませんし、どちらかというと腹の中をすっきりさせてしまうイメージですし。」


ふたご2

「それは浣腸のイメージでは。」


ふたご1

「実際にイチジクにはお通じをよくする効果もあるそうなのですよ。」


ふたご2
「そうなんですか。」
ふたご1

「そういったことからイチジクの葉を身につけていたアダムとイブは便秘だったのではないかという説も一部にはあります。」


ふたご2
「今唱え始めた説ではないですか。」

ふたご1
「しかし化石が発見された場所がヨルダンということで、聖書の地であるパレスチナに近いです。そういった聖書の世界にもイチジクが深くかかわっているというのは考えられることです。」

ふたご2
「まあそうかもしれませんが。」

ふたご1
「そんなことから、エデンの園でイブが食べた禁断の実はイチジクだという説まであるそうです。」

ふたご2
「へええ。」

ふたご1

「ですから歴史の歯車がちょっと変わってしまえば、世界は穀物ではなくイチジクを中心として動いていたのかもしれません。」


ふたご2

「そうなんですか?」


ふたご1

「麦を使ったパンではなく、イチジクを使ったパンを食べ、ビールではなくイチジクを使った酒を飲むのです。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「しかし、ご存知のとおりですが、イチジクにはおなかの通りをよくする効果があります。」


ふたご2
「さっき聞きました。」

ふたご1

「ですからそういう世界ができれば、人類はもっと頻繁にトイレに行くようになり、トイレがもっと身近な世の中になっていたのでしょう。」


ふたご2
「そうなんですか?」

ふたご1

「そうなれば世界は大きく変わります。」


ふたご2

「たとえばどんな世の中に。」


ふたご1
「トイレがひとつもなかったヴェルサイユ宮殿も、建物の半分がトイレに。」

ふたご2
「そこまでトイレに。」

ふたご1

「中国ではブタが大量発生し、それを防ぐために新たな万里の長城が。」


ふたご2

「まあ中国ではブタに食べさせますけど。」

ふたご1

「ナポレオンはたった3時間しかトイレに行かないとして評判に!」

ふたご2

「よくなりすぎですよお通じ。」

ふたご1

「北朝鮮では煙草統制法という法律を作って、喫煙者の大学入学資格を剥奪する方針だそうです。」

ふたご2
「厳しいですねえ。」

ふたご1
「世界中で禁煙運動がひろがっているといってもここまで厳しい国はなかなか無いです。」

ふたご2

「極端な国ですからねえ。」


ふたご1

「しかし、北朝鮮といえばマルボロやマイルドセブンなどの世界中のブランド煙草を偽造して売りさばき、主要な外貨収入源のひとつとしているという疑惑がもたれています。」


ふたご2

「そういえば。」

ふたご1

「そういうところから考えると、単に『売り物に手をつけるな』ということなのかもしれません。」


ふたご2

「そっちのほうがメインかもしれませんねえ。」

ふたご1
「しかし喫煙者の心理からするといかに偉大な将軍様の命令とはいえ、そうそう煙草をやめられるものではありません。」

ふたご2
「まあ中毒になってしまうとねえ。」

ふたご1

「しかしながら大学に入る人が減少しては、国の教育水準が低下して国力の衰退につながります。」

ふたご2

「そうですねえ。」

ふたご1
「そこで大学の参考書に煙草の風味をしみこませ、煙草の代わりに参考書を吸わせるのです!」

ふたご2

「本を吸わせるんですか。」

ふたご1
「もしこの後、雀荘に参考書が山積みにされていたら、私の意見があの国に届いたということでしょう…」

ふたご2
「届いても突っ返すぐらいの理性はほしいところですが。」

6月2日、すうすう。

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