「地上デジタル化にともないまして、来月から、チャンネルの数字が0.5ずつ増えます！」
「リモコンのことも考えてください。」
「ＤＶＤですか。」
「何しろ海賊版対策には映画関係者が頭を痛めています。そこで税関でＤＶＤのにおいをかぎわける犬を導入して、海賊版ＤＶＤを見つけやすくするのだそうです。」
「しかし今まではコピー防止など技術にばかり気をとられていた海賊版対策も、これが契機となって、新たな方法を見出すようになるかもしれません。」
「なんですか。」
「逆に正規版のＤＶＤにもにおいをつけるのです。
」
「ＤＶＤの素材に匂いをつける技術は高度な技術なので、今までのように手軽に海賊版を作れなくなるでしょう。」
「それは認識が甘いです。」
「ですから、これからは映画を見るときにはにおいがするのが常識になれば、自然ににおいのない海賊版ＤＶＤでは人々は物足りなくなってしまい、海賊版は駆逐されてしまうというわけです。」
「そうなんですかねえ。」
「やっぱりアクション映画を見るときには焼肉のにおいがしなきゃ。」
「爆発シーンを見るときに気まずいですよ。」
「ラブストーリーを見るときは、線香のにおいがしないと。」
「ミステリー映画を見るときには、甘い桃のような香りがしないと。」
「こうなればＤＶＤレンタルショップはもう、においのワンダーランド！」
「いろんなにおいが混ざり合ってそれはもう。」
「こんな世の中になれば、もう誰も海賊版など手にしないでしょう。」
「ギリシャでは来年から、国内総生産・ＧＤＰの算出に、売春や密輸などのいわゆる闇経済も含めるようにするそうです。」
「そんなことを。」
「これでＧＤＰは10％アップが見込まれています。」
「見込むも何もそんなことしていいんですか。」
「仕方ないんです。ＥＵが加盟国に赤字削減を要請しているのです。こうでもしないと赤字が減らないんです。」
「まあそうかもしれませんが。」
「そうした結果、国の経済の内容が改めてよくわかるようになるかもしれません。」
「そうかもしれませんが。」
「たとえば日本でやってみたとしましょう。」
「特にＥＵにもせまられていませんが。」
「ヤクザのスーツの半分がユニクロ製だということがわかったりとか。」
「いかつさの真逆のようですが。」
「単なるイメージですよ。」
