ふたご1

「夜の校舎窓ガラスまわしてまわった♪」


ふたご2

「桂小枝さんの特技はざぶとんや畳を回すことです。」


ふたご1

「イギリスのスーパー『マークス・アンド・スペンサー』とイギリス政府が30年に渡って争っている裁判が大詰めを迎えているそうです。」


ふたご2
「なんですかそれは。」

ふたご1

「マークス・アンド・スペンサーは『ティーケークス』というお菓子を売っているのですが、これがケーキかビスケットかという問題です。」


ふたご2

「どっちでも良さそうな気がしますが。」


ふたご1

「いえ、イギリスの税制では、ケーキには付加価値税がかかりますが、ビスケットにはかからないのです。」


ふたご2
「何でまたそんな区別が。」
ふたご1

「ほかにもポテトチップスやアイスクリームには付加価値税がかかりますが、フローズンヨーグルトやトルティーヤチップスにはかからないそうです。」


ふたご2

「今ひとつ区別の基準がわかりませんが。」


ふたご1

「とにかくそういう基準でビスケットにはかかり、ケーキにはかからないのです。」


ふたご2

「まあまったく納得は出来ないですがそうなんですか。」

ふたご1

「この付加価値税は17.5%あり、かかるとかからないでは価格が二割も違ってきます。ティーケークスがもしビスケットであると認定されれば、スーパーは大損害です。しかしケーキと認定されれば安く売れるのです。」


ふたご2

「そんなにややこしい存在なんですか。」


ふたご1

「ビスケットの上にマシュマロがのり、そこにチョコレートがかかっています。」


ふたご2

「微妙な存在ですね。」


ふたご1

「つまり法律を定めた時には明確だった区別が、発明や工夫により境界線が曖昧になりつつあるというわけです。」


ふたご2

「法律もなかなか変わりませんしねえ。」


ふたご1

「これから先も、半分がヨーグルトのフローズンアイスヨーグルトや、ジャガイモとトマトの合成植物であるポマトで作ったポマトチップスが出現すれば、いったいどんな騒ぎになるでしょうか。」


ふたご2

「何年ぶりに聞いた言葉でしょうかポマト。」


ふたご1

「そこで新しい税制を考えました。」


ふたご2
「なんでしょうか。」

ふたご1

「○税です。」


ふたご2
「いや伏せ字にされても。」

ふたご1

「いえ伏せ字ではなく『○』税です。」


ふたご2

「○税?」


ふたご1

「ものの種類にかかわらず丸いものにかかる税です。」


ふたご2
「ええ。」

ふたご1

「たとえばドラえもんのぬいぐるみには税がかかりますが、ゴールドライタンは無税です。」


ふたご2

「まあライターから変身するロボットでしたから四角ですが。」


ふたご1

「西日本の雑煮は税がかかりますが、東日本は無税です。」


ふたご2

「まあ雑煮に入れる餅が西日本は丸餅、東日本は角餅と言いますが。」


ふたご1

「ぷよぷよはやや税がかかりますが、テトリスは無税です。」


ふたご2

「ややなんですか。」


ふたご1
「丸さの度合いによって税率が変動します。」
ふたご2

「余計にややこしい気がしますが。」


ふたご1

「こうすることによって、税金を安くしようと世の中のものがどんどん四角くなっていく効果があるわけです。」


ふたご2

「してどうするんですか。」


ふたご1

「四角いものが増えれば、今まで丸いものだと無駄になっていたスペースも有効利用できるではないですか。」


ふたご2

「まあ収納スペース的にはそうかも知れませんが。」


ふたご1

「そうすると、流通や販売も効率的になり、消費が大いに伸び、四角い製品も大いに売れ、」

ふたご2
「はい。」

ふたご1

「□税をかければ税収が大幅にアップするわけです。」


ふたご2

「それが目的か。」


ふたご1

「そうすると丸いものが増加し、○税を掛けるタイミングが近づきます。そして再び四角が増えるという繰り返しなのです。」


ふたご2

「意味のない繰り返しだなあ。」


ふたご1

「そんな丸と四角のせめぎ合いの中で生まれたのが、前方後円墳というわけです。」


ふたご2
「誰だ古墳に税をかけた奴は。」

12月21日、前方後方墳は税率が二倍に。

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