「ぬかサーファーは、丘サーファーよりも、海サーファーよりも、ビタミンB1をふくんでいます！」
「ふくまれたからといってなあ。」
「今年の大きなイベントと言えばロシア革命90周年記念ですが。」
「そのロシア革命に反対してロシアを去った在外ロシア正教協会と、ロシア国内の正教会がこのほど正式に和解したそうです。」
「ソビエトなどの社会主義国では宗教は認められませんからねえ。」
「宗教は人民のアヘンとマルクスも言いました。」
「つまり『アヘン戦争＝宗教-人民の+戦争』とあらわせるわけです。」
「いや無理に式にされても。」
「（宗教-アヘン）+（宗教-アヘン-の+による）+（宗教-アヘン+ための政治）とも言えるわけです。」
「言わないでほしいわけですが。」
「無理にややこしくする必要はさらにないです。」
「その当時、ロシア正教会の主教はソビエト政府を認めたのですが、それに反対した勢力が国外に亡命したというのがそもそもの始まりです。」
「なるほど。」
「しかしそんな社会主義体制が崩壊したのはもう20年近く前になるのに、なぜ和解が今年になったのか、それが不思議です。」
「そういえばそうですね。」
「かつて自分たちと意見を異にしたからと言って、元は同じロシア正教の民がなぜ和解し合えなかったのか。」
「私が考えますに、ロシア正教会の和解の呼びかけを在外正教会が警戒したからだと思います。」
「これはワナではないかと。」
「ワナと言いますと。」
「自分たちを一網打尽にしようとする、ソビエト連邦のワナだと。」
「それは見せかけです。」
「いえ見せかけも何も。」
「在外正教会の人は聖書の出エジプト記を読んでいますからね。」
「聖書？」
「エジプトから逃れる人々を連れたモーゼが神に祈ると海がぱっくりと二つに割れ。」
「はあ。」
「つまり一見ソビエト連邦が崩壊していたように見えても、在外正教会がロシアに戻ったとたんにソビエト連邦が元通りになるのではないかと。」
「杞憂にもほどがありますよ。」
「それを説得するのにロシア正教会も苦労しました。」
「苦労するなよ。」
「ソビエト連邦と海は違う、どちらかというとアジアのほうが海に近い、ジュディ・オングも『なんたらかんたらアジア〜ン 女は海』と歌っているではないか。」
「最終的には海は二つに割れたから元に戻ったのであって、ソ連のように1５の共和国に割れたら元に戻らないということで両者の合意が得られました。」
「どういうことかさっぱりわかりません。」
「ありますか。」
「死んだと思ったソビエト連邦が3日後に復活したりするかも知れません。」
5月11日、欧州を一匹のミックスベジタブルが彷徨している。
