「イヤー最近暑いですねーこう暑いと、周防・長門の守護の僕なんかは、つい幕府に対して反乱を起こしたくなっちゃいますよねー。」

「えーと、応永か？」

「中国でオンラインゲームが人気となっているそうです。」

「汚職役人を倒す事が目的のゲームだそうです。」

「たしかに中国では汚職が多いらしいですからね。」

「人気がありすぎて、サーバーが追いつかず数週間で閉鎖されたそうです。」

「やはりみんながやっていること、ブームになっていることは、やってみたくなるのが人情ですから。」

「まあそれは否定できませんねえ。」

「だから、みんなが汚職をやっていれば自分も汚職をしてみたくなるのを誰が責められるでしょうか。」

「ほかの汚職役人を倒せば自分が汚職できるぶんが広がるではないですか。」

「そういう戦国大名のような思考回路で汚職役人退治はやめてもらいたいです。」

「わかるようなわからないような。」

「ですから今度は、直接的ではなくて深層心理に働きかけるような汚職追放ゲームを作るべきだと思うのです」

「深層心理？」

「まずゲームの難易度をものすごく難しくします。」

「なぜそんなことを。」

「難しければ難しいほどクリアしてみたいという気持ちは高まります。」

「気持ちがどんどん高まれば、心の内にある感情が芽生えてきます。」

「そう、どんなことをしてもクリアしてやるという気持ちです。」

「どんなことをしても？。」

「そう、開発者に賄賂を渡して、クリアする方法を聞き出すのです。」

「そしてゲーム開発者のもとにはどんどん賄賂が届くことに。」

「そんなにもうかりますか。」

「そして開発者はゲームをクリアする方法をこっそりと教えるのです。」

「賄賂を機能させてどうするんですか。」

「方法を聞いた人は喜んでゲームをはじめます。たしかにするすると解けます。」

「そうなるでしょう。」

「しかしその瞬間、プレイしている人の名前がサーバーに記録されてしまうのです。」

「ええっ。」

「そしてその人は『賄賂を渡してゲームをクリアしようとした人』として公開されてしまうのです。」

「それは恥ずかしいですねえ。」

「そんな恥ずかしい思いをする賄賂はやめようと人々は思うでしょう。」

「いえ。」

「いえ？」

「その前に、公表担当者から『公表されたくなかったら賄賂を払いませんか』というメールが来るので大丈夫です。」

「またとるのかよ。」

「そうした賄賂を積み立てて、いつかきっと汚職撲滅のためのゲームを作るのです！」

8月31日、賄賂サタデー。

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