ふたご1

「ドラえもーん、ジャイアンがまたいじめるんだよー。反ジャイアン出してよー。」


ふたご2

「すぐ対消滅を企てるのはのび太くんの悪い癖だよ。」


ふたご1

「みなさん文化、大事にしてますか。」


ふたご2

「なんですか突然。」


ふたご1

「文化、それは人間が生み出した最高の文化…。」


ふたご2

「同じ文の中で言ったことを忘れないでください。」


ふたご1

「そんな最高の文化の中で最高の文化、それこそが料理文化です。」


ふたご2

「そうなんですか?」


ふたご1

「なにしろ料理文化には他の文化にはない『おいしい』という特徴がありますからね。」


ふたご2

「なんだその基準は。」


ふたご1

「そんな料理の中でも、特に世界に知られているのがフランス料理です。」


ふたご2

「まあそうですねえ。」


ふたご1

「そこでフランス政府は、ユネスコ指定の無形文化遺産のひとつとして『フランス料理』を登録しようとはたらきかけているそうです。」


ふたご2

「へええ。」


ふたご1

「基本的には伝統的な演劇や歌などが登録されるものなのですが、フランス政府によると特別な日に供されるものは、保護する価値があるとしているそうです。」


ふたご2

「はあなるほど。」


ふたご1

「しかし、私たちはフランス人ではないので、保護しなければならないほどの料理が供される特別な日というのが今ひとつぴんと来ません。」


ふたご2

「結婚式とかじゃないんですか。」


ふたご1

「たしかに韓国では腐ったエイを出すという意表をついた風習がありますが、フランスにもそんな突飛な料理があるでしょうか。」


ふたご2

「一応発酵です。」


ふたご1

「南フランスでウジに食わせたチーズがあると言いますが、それでも出すのでしょうか。」


ふたご2

「イヤな結婚式ですね。」

ふたご1

「たしかに保護しないと。」


ふたご2

「無理に継続しようとする人はいないでしょうからねえ。」


ふたご1

「もしくは他の日の料理かもしれません。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「長年勤めた会社を突然クビになった時の為の料理とか。」


ふたご2

「味なんかわかりませんよそんな日には。」


ふたご1

「せっかく三大珍味をふんだんに使ったのに?」


ふたご2

「使ってる場合じゃないでしょう。」


ふたご1

「しかし、このようなありふれた日の料理を保護するのもどうかと思います。」


ふたご2

「ありふれられると困る日ですが。」


ふたご1

「もっとフランス人にとって滅多にない日の料理でしょう。」


ふたご2

「どんな日ですか。」


ふたご1

「まずフランス人というのはたいへん誇り高い国民性であると言われています。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「そして様々な文化についても人一倍うるさいです。」


ふたご2

「まあ芸術の都もありますしね。」


ふたご1

「そして文化の中でも最高の文化が料理文化です。」


ふたご2

「なにか大変なデジャブ感があるのですが。」


ふたご1

「つまりフランス人は、フランス人の誇りにかけて、フランス料理という文化を維持しようと考えているのです。」


ふたご2
「まあだから文化遺産申請もおこなったんでしょうが。」

ふたご1

「そんなフランス人にとって、めったにないこと。それは。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「まずいことで名高いイギリス料理を食べることです。」


ふたご2

「まあ名高いことは否定しませんが。」


ふたご1

「三大珍味もふんだんに使うのですが、よろしいでしょうか。」


ふたご2
「今回は使ってもいいんじゃないですか。」

11月19日、おいしいのもあるとおもうよ、きっと!

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