ふたご1

「。」


ふたご2

「」


ふたご1

「財源不足が指摘されるあちこちですが。」


ふたご2

「あちこち財源不足ですねえ。」


ふたご1

「ドイツはテューリンゲン州のニーダーツィメルン村も財源不足です。」


ふたご2

「まあそんなこともあるでしょう。」


ふたご1

「そんなわけなので、道路工事をするお金もなくてアスファルトのあちこちに穴が開いています。」


ふたご2

「危険ですねえ。」


ふたご1

「そこで、村の人が画期的な資金調達方法を考案しました。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「穴を売却するのです。」


ふたご2

「穴を。」


ふたご1

「穴を第三者に売り、そのお金で穴を埋めるのです。」


ふたご2

「買った穴なのに埋められるんですか。」


ふたご1

「かわりに、買った人の名前のついた金属プレートが埋め込まれるのです。」


ふたご2

「ああなるほど。」


ふたご1

「したがって、開いた穴がそのままであってほしいという熱烈な穴マニアの方には向きません。」


ふたご2

「いるのか穴マニア。」


ふたご1

「しかしこの方法はよい方法かも知れませんが、穴を利用してはい上がってこようとするど根性大根にとっては厳しい展開ですね。」


ふたご2

「大根には別の形でど根性を発揮してもらいましょう。」


ふたご1

「しかし日本もこういった形で財源を募集してはいかがでしょうか。」


ふたご2

「どうやるんですか。」

ふたご1

「たとえばこども手当の財源としてですね。」


ふたご2

「売るな売るなこども。」


ふたご1

「大丈夫です、こどもに購入者の名前を入れ墨するだけですから。」


ふたご2

「耳なし抱一みたいになりますよ。」


ふたご1

「ほかには高校の教科書にも購入者の名前を書き込んで。」


ふたご2

「本文が何かわからなくなりますよ。」


ふたご1

「そして大臣や議員の給料にもこのシステムを導入して。」


ふたご2

「今度は大臣が抱一に。」


ふたご1

「ここぞという時に強調できる、握り拳などの位置に名前を入れるのにはお金がかかりますね。」


ふたご2

「なんだかなあ。」


ふたご1

「逆に言うと、大臣の身体に入っていない名前の人からお金をもらうと、違法献金になるわけです。」


ふたご2

「なるほど。」


ふたご1

「ですからこれからの政治に対する捜査の仕方も変わってくるでしょう。」


ふたご2

「そうなんですか。」


ふたご1

「まず文字通り、大臣の身体検査が重要になります。」


ふたご2

「まあそうかもしれませんが。」


ふたご1

「『この献金者の名前、どこにあるんですか』『それは左の内ももあたりに』。」


ふたご2

「なんでそんなところに。」


ふたご1

「『ではこちらは』『そちらは小腸の内側にあるのでカメラを使って確認してください』。」


ふたご2
「そんなところに書くなよ。」

ふたご1

「『しかしこちらの名前はどこをどう探してもありませんね。』『いえそちらの方は、そっちの4名の方の頭文字を縦読みしていただけると。』。」


ふたご2

「なにをしているのか一体。」


ふたご1

「『しかしこの名前はどこを探しても縦読み横読みしてもありませんね』『それは私の身体を火であぶってもらえばわかります』『おお、献金者の名前があぶり出しで出現』。」


ふたご2

「隠すなよそんなにしてまで。」


ふたご1

「このように、身をするめとしても悔いない態度が、これからの大臣には求められるのです。」


ふたご2
「これからの国民はするめの統治下に置かれるのか。」

3月12日、あぶりぼし。

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