ふたご1

「しゃすざはーゆーとーぷれーゆぎーらーばーバス停!」


ふたご2

「空耳アワーへの道は遠いですね。」


ふたご1

「富士山の周りにあることが確実視される富士五湖ですが。」


ふたご2

「それが確実でないなら何を確実視したらいいのかわかりません。」


ふたご1

「富士五湖には流れ込んでいる川がありません。」


ふたご2

「すると水はどこから来たのでしょうか。」


ふたご1

「今までは富士山の地下を流れる伏流水がその源だと言われていました。」


ふたご2

「なるほど。」


ふたご1

「その証拠に富士五湖の水位はいつもいっしょになるのだと言われていました。底でつながっていると思われていたのです。」


ふたご2

「そうなんですか。」


ふたご1

「しかしこのほど新たな事実が発覚しました。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「山梨県環境科学研究所の調査によると、富士山の伏流水と富士五湖の湖水では、成分が全く違うことがわかったのです。」


ふたご2

「ということは地下水ではないということですか。」


ふたご1

「いえ、環境科学研究所は富士山の表面を流れた水がたまったと考えているようですが、富士山の伏流水ではないから地下水ではないとは断定できません。」


ふたご2

「まあそうかもしれませんが。」


ふたご1

「ひょっとすると富士山の伏流水とは違う別の伏流水かも知れないのです。」


ふたご2

「なんですか別のって。」


ふたご1

「伏流水が富士山由来のものだけと思ったら大間違いです。世界には我々のまだ見ぬ伏流水が隠れているのです。」


ふたご2

「だいたい見えない物ですけど伏流水。」


ふたご1

「たとえばもっと水の豊富なところから流れている水かもしれません。」


ふたご2

「どこですか。」

ふたご1

「もし水の成分を分析して、鮒寿司の成分が検出されれば―――それは、琵琶湖からの伏流水です。」


ふたご2

「間に何県あると思ってるんですか。」


ふたご1

「そんなもの、アマゾン川に比べればたいしたことありません。」


ふたご2

「比べていいのかそれは。」


ふたご1

「さらにマリモ分が検出されれば―――阿寒湖です。」


ふたご2

「マリモ分って何だ。」


ふたご1

「そして塩分が検出されれば―――カスピ海です。」


ふたご2

「まず太平洋を疑った方がいいんじゃないですか。」


ふたご1

「すごい塩分と文書が検出されれば―――死海です。」


ふたご2

「死海文書は日本酒の金粉じゃないんですから。」


ふたご1

「しかしそういう考え方も甘いのかもしれません。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「ひょっとするともっと別の場所から流れ込んでいるのかもしれません。」


ふたご2

「どこですか別の所って。」


ふたご1

「私たちは大きなものに目を奪われていたのかもしれません。」


ふたご2

「勝手に私たちに含めないでください。」


ふたご1

「もう少し小さなところに目を向けるべきかもしれません。」


ふたご2

「なんですかそれ。」


ふたご1

「富士五湖の水はそのような大きな所ではなく、小さな所から来ていたのかもしれません。」


ふたご2
「どこですか小さな所って。」

ふたご1

「それは日本中にあるあそこです。」


ふたご2

「どこですか。」


ふたご1

「底なし沼です。」


ふたご2

「は。」


ふたご1

「全国の底なし沼の底がないのは、底から富士五湖に少しずつ、水を送っているから―――つまり、富士五湖は底なし沼の底だったのです!」


ふたご2
「とりあえず山梨県環境科学研究所にあやまってください。」

3月19日、やまなしおちなしそこなし。

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