ふたご1

「すぐオーキシン、すごくサイトカイニン♪」


ふたご2

「植物ホルモンが出まくってますね。」


ふたご1

「痛いことが多い世の中ですね。」


ふたご2

「漠然とした話ですね。」


ふたご1

「そんな痛いところがあると人が無意識に行ってしまう行為、さする。」


ふたご2

「まあさすることもありますが。」


ふたご1

「さすることにより、痛んでいた神経が修復されるということが、群馬大学大学院の研究チームによって発見されました。」


ふたご2

「治療効果があるのですか。」


ふたご1

「人が痛いところをさするのは、こうしたことを本能的に悟っていたからなのかもしれません。」


ふたご2

「そうかもしれませんねえ。」


ふたご1

「ということはですね。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「他のさするところもなんらかの影響があるからなのかもしれません。」


ふたご2

「なんですかそれは。」


ふたご1

「たとえば、おなかがいっぱいになった時には『腹をさする』という言い方があります。」


ふたご2

「ありますねえ。」


ふたご1

「その時、手でさすることによって再生が試みられているのです。」


ふたご2

「なんですか再生って。」


ふたご1

「豆腐を大豆に、刺身を魚に、ハンバーグを牛に…。」


ふたご2

「再生してどうする。」


ふたご1

「一粒で二度おいしいという奴です。」


ふたご2

「胃袋の中に魚や牛がいる状態はおいしくないです。」

ふたご1

「他には、安心した時には『胸をなで下ろす』といいます。」


ふたご2

「なでますか。」


ふたご1

「なでるもさするも同じようなものです。」


ふたご2

「手の動きの早さですかねえ。」


ふたご1

「これも再生しているのです。」


ふたご2

「なにをですか。」


ふたご1

「安心したことによって失われるものといえばなんでしょうか。」


ふたご2

「なんでしょうか。」


ふたご1

「不安です。」


ふたご2

「不安を再生してどうする。」


ふたご1

「あんなにいやだった不安でも、居なくなってみると少し寂しいという、アンビバレンツな気持ちでしょうか。」


ふたご2

「やかましい。」


ふたご1

「飲み過ぎてはいた時にも、背中をさすりますね。」


ふたご2

「今度は何を再生するんですか。」


ふたご1

「それはやはり吐いたものを。」


ふたご2

「未来永劫はき続けることになりますが。」


ふたご1

「やがてはその吐くべきものを体内にため込み、いざというときに口から発射して正義の味方を倒してほしい、そんな悪の組織の親玉心が背中をさすらせるのでしょう。」


ふたご2

「そんな心持ってる人間のほうをなんとかしてください。」


ふたご1

「そして悪の組織の親玉心を持っていると、黒猫の背中をさすりたくなりますね。」


ふたご2
「古いイメージだなあ。」

ふたご1

「これもまた再生しているのです。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「今のように黒猫じゃなかった、あの頃の真っ白な猫の気持ちです。」


ふたご2

「きもち。」


ふたご1

「世の中にいる三毛猫は、だいたい悪の組織の親玉になでさすられかけた猫だと言われています。」


ふたご2
「途中でやめるなよ。」

4月2日、丹頂であったころの気持ちを再生するためにマンダム(ブロンソン)。

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