ふたご1

「金鳥の夏!金鳥だけの夏!金鳥以外には夏は渡さないの夏!!」


ふたご2

「金鳥はそんなことは望んではいないわ。」


ふたご1

「夏といえば甲子園での大野球大会ですが。」


ふたご2

「まあそうですが。」


ふたご1

「甲子園といえば、負けたチームが甲子園の土を持って帰ることで有名です。」


ふたご2

「そうですねえ。」


ふたご1

「そんな土を作っているのが阪神園芸という会社です。」


ふたご2

「作っているんですか。」


ふたご1

「甲子園の環境に最も適した土を職人の技で作り上げているのです。」


ふたご2

「適した土というのはどんな感じなんですかねえ。」


ふたご1

「たとえばスライディングするとユニフォームにほどよくなじみ、一生懸命感を醸し出します。」


ふたご2

「なんだかやらしい言い方ですねえ。」


ふたご1

「一生懸命感が醸し出されることによって、観客はハラハラして手に汗握ります。」


ふたご2

「まあそうですねえ。」


ふたご1

「その手の汗を吸うことにより、甲子園に住む魔物は成長しているのです。」


ふたご2

「何を糧にしているのか魔物。」


ふたご1

「そんな甲子園の土、今まで持ち帰るのは高校球児だけでした。」


ふたご2

「そうですね。」


ふたご1

「しかしそんな現状に心を痛めた阪神園芸と魔物は。」


ふたご2

「魔物もか。」


ふたご1

「甲子園の土を販売することになりました。」


ふたご2

「売るんですか。」

ふたご1

「ただし甲子園に搬入する土と同じ成分の土なので、実際の甲子園の土のように球児成分が含まれているわけではありませんが。」


ふたご2

「求めるなよ球児成分。」


ふたご1

「とはいえ甲子園の土と同じ成分なので、同じような効果が見込まれます。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「服によくつき、一生懸命感が出るわけです。」


ふたご2

「出されても。」


ふたご1

「ですから一生懸命感が伝わりにくい、しかし一生懸命感を伝えることが望ましい職場にうってつけですね。」


ふたご2

「どこですかそれは。」


ふたご1

「国会です。」


ふたご2

「議事堂に。」


ふたご1

「甲子園の土をまき散らし、泥と汗にまみれながら質疑をする国会議員達の姿は感動を呼ばずにはいられません。」


ふたご2

「何のために汚れているのかわかりませんが。」


ふたご1

「やはり政治家というのは時に汚れ仕事もしなくてはならないわけでして。」


ふたご2

「そういう意味ではないですが汚れ仕事。」


ふたご1

「法案を採決する時には泥水にダイブすることもあってたいへんです。」


ふたご2

「○×クイズやってるんじゃないですからね。」


ふたご1

「このようにアクション感を持たせれば、政治家の一生懸命さが伝わるというものです。」


ふたご2

「だいぶお年の方もいるような気がしますが。」


ふたご1

「自然、政治家にも注目が集まり、それに応えて議論も白熱します。」


ふたご2
「そうだったらいいですけどねえ。」

ふたご1

「そうなれば、日本の国も良くなります。」


ふたご2

「そうなんですか。」


ふたご1

「そして政治を見ている国民も楽しめます。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「そして国民の握った手の汗を吸えて、魔物も大喜び。全てうまくいくわけです。」


ふたご2
「魔物を入れなきゃいけませんか全てに。」

8月6日、まものだっていきものさ。

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