ふたご1

「寝る前にガスの元栓、本栓、裏栓、真の裏栓、伝説の栓、大宇宙を統べる栓を閉めてからお休みください。」


ふたご2

「明日になったらガスの経路を再検討してください。」


ふたご1

「長いものには巻かれろというご時世の日本ですが。」


ふたご2

「どんなご時世ですか。」


ふたご1

「そんな中でもいろんなものを巻き続きて大人気、ニシキヘビさんです。」


ふたご2

「巻いてるだけではないでしょうか。」


ふたご1

「そんなニシキヘビさんは、体より大きい動物を丸呑みにします。」


ふたご2

「ヘビですからねえ。」


ふたご1

「しかしまあやってみると分かりますが、体より大きい食事をすると消化するのが大変です。」


ふたご2

「やってみないでください。」


ふたご1

「しかしそんな苦境を、ニシキヘビはある方法で乗り切ります。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「心臓などの臓器を一時的に大きくし、体力を増強するのです。」


ふたご2

「うわあすごいですねえ。」


ふたご1

「このの能力、もし人間が使えたら便利ですねえ。」


ふたご2

「そうですかねえ。」


ふたご1

「たとえば食べ放題に行った時にも、胃袋と口を巨大化してさらに食べ放題に。」


ふたご2

「わあいじましい。」


ふたご1

「トイレに行きたいけど行けない時にも、一時的に膀胱を巨大化させることで切り抜けられますし。」


ふたご2

「下半身重そうですねえ。」


ふたご1

「テストの時には一時的に脳を巨大化して記憶力を増大させられます。」


ふたご2

「基本的に全部化け物のような状態ですね。」

ふたご1

「化け物だっていいじゃない、人間だもの。」


ふたご2

「化け物だろ。」


ふたご1

「しかし、ニシキヘビはなぜ粉のような人間離れした臓器増大が可能なのでしょうか。」


ふたご2

「人間じゃないですからね。」


ふたご1

「このたびアメリカの研究チームが、臓器増大術の秘密を解き明かしました。」


ふたご2

「なんですかそれは。」


ふたご1

「それは脂肪です。」


ふたご2

「脂肪ですか。」


ふたご1

「ニシキヘビの体内にある特殊な脂肪酸が含まれており、その脂肪酸をマウスに注射すると、マウスの心臓も増大化するのです。」


ふたご2

「へええ。」


ふたご1

「この脂肪酸の秘密が解明されれば、医療技術などに大きな進歩をもたらすかもしれません。」


ふたご2

「心臓病とかの治療に使えるかもしれませんね。」


ふたご1

「しかし悪用されれば、とんでもない悲劇をもたらす諸刃の剣です。」


ふたご2

「そうなんですか?」


ふたご1

「たとえば、闇の町に潜むあの恐ろしい奴らの手に渡れば、とんでもないことに。」


ふたご2

「誰ですか奴らって。」


ふたご1

「いかがわしい格好をし、巨大な虫眼鏡を持つあいつら…。」


ふたご2

「虫眼鏡?」


ふたご1

「そう、手相占い師です!」


ふたご2
「は。」

ふたご1

「先ほども述べましたが、手相占い師というのは虫眼鏡やルーペをもっています。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「しかし薄暗い夜道で虫眼鏡を使って、手のしわをみるのは大変めんどくさい作業…。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「そこで!臓器増大術で人類の手全てを大きくしてしまえば、手相も見やすくなって仕事がスムーズになる!そう気づいた手相占い師達は次々と人類の手を…」


ふたご2
「これほどの杞憂は見たことがないですねえ。」

11月4日、藤原杞憂。

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