ふたご1

「ねえねえ、どこからが浮気で、どこまでがトカゲ?」


ふたご2

「とりあえずややこしい存在ですね。」


ふたご1

「犯罪者諸君、君たちはますます追い詰められている!」


ふたご2

「なんですかいきなり。」


ふたご1

「カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームが、新たなる捜査手法につながる発見をしたそうです。」


ふたご2

「なんですかいったい。」


ふたご1

「したがって、犯罪者諸君、無駄な抵抗は止めろ!」


ふたご2

「だから何の発見なんですか。」


ふたご1

「唾液です。」


ふたご2

「唾液?」


ふたご1

「唾液に含まれるDNAを分析することによって、その人の年齢を割り出すことができるというのです。」


ふたご2

「ははあ。」


ふたご1

「だから、犯罪者諸君、君たちの悪事もそこまでだ!」


ふたご2

「君たちと言っているお前が何者だ。」


ふたご1

「この唾液による年齢判別法はわずか5歳の誤差という驚くべき精度。つまり、犯罪者の年齢もたちどころにわかってしまうのだ。」


ふたご2

「はあ、あのそれはいいんですが。」


ふたご1

「なんだね君は。」


ふたご2

「犯人ってそう現場に唾液を残すものなんでしょうか。」


ふたご1

「残すよ。」


ふたご2

「そうなんですか?」


ふたご1

「たとえば、盗み出した札束を数えるときに、指につばを付けます。」


ふたご2

「指も札束も現場に残らないと思うんですが。」

ふたご1

「外から内部の様子をうかがう際、指につばを付けて障子に穴を開けます。」


ふたご2

「えらく古い方法ですね。」


ふたご1

「それは頭が固い考えです。」


ふたご2

「どういうことですか。」


ふたご1

「唾液が犯人追及に役立つとわかった以上、我々の側もできるだけ犯人の唾液が残るように配慮してあげる必要があるのではないでしょうか。」


ふたご2

「そうなんですか?」


ふたご1

「そうすれば、犯人も逮捕されるリスクが増える場所には潜入したりしないでしょう。つまり、これが攻めの防犯スタイルです。」


ふたご2

「そうなんですかねえ。」


ふたご1

「その一つが、障子を立てておいて中をのぞかせるシステムです。」


ふたご2

「攻めの防犯スタイルに対する信頼が著しく低下しましたが。」


ふたご1

「さらに部屋の中に懸賞ハガキをおいておきます。」


ふたご2

「懸賞?」


ふたご1

「『盗っ人全員プレゼント』と題した懸賞ハガキをおいておけば、犯人も思わず切手をはって投函するはずです。」


ふたご2

「かなり見当外れのところを攻めていますね。」


ふたご1

「しかしそれをかわしてもさらなる罠が犯人の唾液を奪いにかかります。」


ふたご2

「なんですか次は。」


ふたご1

「まず屋内に腐敗した物を置いておきます。」


ふたご2

「腐敗って。」


ふたご1

「すると腐敗したものをめがけて虫が飛んできます。」


ふたご2
「はあ。」

ふたご1

「そうすると虫を捕らえようと、犯人が唾液を虫に発射。」


ふたご2

「テッポウウオじゃないんですから。」


ふたご1

「するとその唾液がかかったと、室内に配置していたチンピラが犯人に因縁を付けます。」


ふたご2

「配置するなよ。」


ふたご1

「そしてチンピラが犯人を殴り倒して、唾液を思うさま採取できるわけです。」


ふたご2
「手段と目的を取り違えるというレベルの問題ではないですね。」

7月1日、だえきらいだぜだえきらいだぜ。

SAKANAFISHホームへ