植物の葉が緑色に見えるのは、葉緑体の中に葉緑素という物質があるためです。
これが緑色であるために植物は緑色に見えます。
しかし紅葉の時期になってくると、植物の中には葉っぱが赤くなったり黄色くなったりするものが
あります。
これは葉緑素の活動があまり活発でなくなってくるために、緑色があせ、ほかのものの色が
見えるようになったことで色がかわるのです。
つまり、葉緑素以外のものが葉を赤や黄色に見せているのです。
では、葉緑素が活躍しなくなった葉の中には何があるのでしょう。
それを考えるのには、まず、なぜ紅葉の時期になると葉緑素の活動がなくなってくるのかを
知る必要があります。
紅葉の時期というのは気温が低下し、日中の日照時間が減少します。
こうなってくると、葉緑素による光合成によってエネルギーを得ていた植物は、あまり
エネルギーを得られなくなります。 植物は生き残るために春が来るまで極力エネルギーを
使わない方針へと転換します。こうなってくると真っ先に切られるのが、今までは稼ぎ頭であったのに
今では単なるお荷物部門となった、葉です。
木の本体は葉を切り落とすべく、葉の根元に離層という層をつくり、根からの水分や養分を
送らないようにします。この処置に葉緑素は自分たちが本体から見捨てられようとしていると気づき、
植物本体への反逆を開始します。もちろん本体も葉緑素の反逆を見過ごしません。
次々に刺客を送って葉緑素たちを根絶やしにしようとします。
「でやあっ!くらえっ!本体秘伝の八方手裏剣!」
「くっ、なんて恐ろしい手裏剣だ!あれにあたったら命は無い…」
「ふっ、いくら逃げても無駄だ!くらえっ!」
「ぐわっ!」
「ふっふっふ…これが葉に隠れなきといわれた葉緑素の最期か…あっけないものだ…
…!何いっ!?これは…変わり身の術! 」
そんな、変わり身となったものが赤かったり黄色かったりするので葉の色は変わって行くのです。
その後の、葉緑素たちの運命を知るものはいない…
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