タイトル

あいさつ。それは人間としての始まり。そしてしめくくり。要所要所の挨拶さえしっかりしていれば、実はしっかりしている人なのだと思ってもらえます。そう、不良が雨の中で子犬を拾うようなものです。

今回はそういった要所要所でのあいさつの例を提示して参りたいと思います。




挿絵

「結婚式のあいさつ」 (新郎新婦の先輩編)

○○君、○○さん、結婚おめでとう。これから二人は、人生という海へと、家庭という名の一艘の船をともに漕いでいくのです。時には荒い波もあるでしょう。また、時には大いなる恵みに出会うこともあります。そんな時に二人ならば、波もたやすく越えられ、恵みの喜びも倍増するというものでしょう。

ここで、僭越ながら、船乗りの先輩としてお二人に、人生の心得といっては、おこがましいですが、ささやかなはなむけの言葉を贈りたいと思います。

人生には大切な三つの袋があります。一つ目は、「ソース」、二つ目は「青のり」、そして三つ目が「かやく」です。まず最初に「かやく」を入れて、次に「ソース」を入れて、「青のり」をかける。一見正しいように聞こえますが、大切なものが忘れられています。それは、お湯です。お湯を入れずに、ソースを入れても、乾いた麺がソースを吸うだけです。ソースを吸っただけでは、麺は柔らかくなりませんし、何よりおいしくありません。同じような形状には、チキンラーメンがありますが、両者は全然異なります。チキンラーメンはそのまま食べてもおいしいですが、ソースをしみこませた麺はおいしくありません。ですから、お湯が必要です。お湯を入れたことによって、麺も、そしてかやくも柔らかくなるのです。しかし、ここであせってはいけません。お湯を入れたあとにソースをすぐ入れないでください。ましてや青のりを入れてはいけません。それは何も生み出しません。ただ、薄いスープを生み出すに過ぎないのです。大切なのは順番です。順番を守って、正しい結婚生活を送ってください。

挿絵

「海開き」

 
○○海さん、○○浜さん、海開きおめでとう。思い起こせば昨秋の、水温の低下、クラゲの増加という不慮の事態により、海を閉じざるを得なくなったのは、誠に無念の至りでありました。しかしながら、我々の不断の努力により、水温も晴れて上昇し、クラゲも絶滅いたしました。○○海さん、心おきなく開いてください。○○浜さん、それを大きな心で受け止めてください。今、君たちを祝うために、晴れの衣装に身を包んだ男女達が訪れてくれました。しかし、あくまでも海開きの主役は、○○海さん、○○浜さん、あなたたちです。人間に負けないように、水温を下げず、永遠に開き続けてください。

「本能寺の変」


明智くん、光秀さん、謀叛おめでとう。まさかこんな日が来るとは夢にも思っていませんでした。はじめて君とあったのはもう20年も昔のことになりますね。あの頃、僕はまだちょっと大きめの大名で、君はまだ将軍の家来でした。それから、君と僕は一生懸命領土を広げました。今ではもう、天下統一寸前です。そんな中、僕がいる本能寺は燃えています。明智くん、君が火をつけてくれたのですね。こんなに油断しているところを襲われるとは、まったく予想外でした。きっと今川義元君もそう思っていたでしょう。油断は大敵。この言葉はわかっていても、なかなか身につかないものです。明智くんも気をつけてくださいね。それでは、ごきげんよう。




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