テスト、それは先生とこどもの美しい心の交流。
先生が問題を出し、こどもが答えを書き、先生が採点する…。
そんな美しい心の交流の中で、ふと影を投げかけるのがはんこです。答案用紙の片隅に押されたはんこ…先生はよかれと思って押したのでしょうが、いったい何が言いたいのか?そんなことで悩むこどもも少なくありません。ある調査では、はんこの意味を理解できずに答案用紙を飲み込んでしまったこどもの数が38%にも達したといいます。
今回はそういったはんこに遭遇した際にどうすればいいか、その心構えをお伝えしたいと思います。
もうすこしがんばりましょう
もうすこしです。ずいぶん頑張ったつもりなのに、このはんこを押されてしまった時の絶望感ははかりしれません。逆に頑張っていない時にこのはんこを押されると、どきっとします。心臓に悪いです。ジェットコースターに乗らなくてもいいです。
ともかくこのはんこが押された際には、もう少しがんばることで対応しましょう。もちろん、何をがんばるかはあなた次第です。
さんすうがむずかしいのですか?
このはんこが押された時にはそうとう頭を抱えます。もしこのテストが算数ならわかりますが、国語かもしれません。もちろん算数だったとしても問題は深刻です。よく考えるとうっすらバカにされているのかもしれません。「算数?その上には数学があるんだぜ?なのに?算数が?難しい?ハァ?」もう答案用紙はビリビリです。ちぎれてしまった先生との絆はもう戻らないでしょう。しかし、完全な善意であったとしてもやはり心配です。もしここで「難しいです」と答えると、算数のかわりに国語がはじまるかもしれません。国語も無理だったら体育、体育も難しかったら給食です。きょうのおかずはハンバーグです。そんなことになったら時間割も無茶苦茶になってしまいます。どんな結果になってもややこしいので、とりあえず曖昧な笑みを浮かべておきましょう。それが日本的解決というものです。
とろけるチーズはうまい
そうですね。
そうとしか言えないですが、とろけないチーズもうまいです。それを先生には伝えてあげたいし、知ってほしい。そういうカマンベール魂やマスカルポーネ精神でこれからの時代を切り開いてください。スモークチージズムでも結構です。
ガスの元栓しめましたか?
出かける時に、ガスの元栓を閉めるのは大切なことです。テレビも消しましょう。エアコンも消しましょう。ですが、テストのあとで言われても困ります。せめてテストの前に言ってほしいです。もう家はガスだらけなのかもしれません。帰宅してタバコに火をつけたらドカンです。それ以前にこどもがタバコを吸っていいと思うのでしょうか。タバコの吸い過ぎは肺ガンなどのリスクを高めるおそれがあります。とにかくいうのであればもっと早く、そうこどもは思うでしょう。しかし、夜遅くまで働いて帰ってくるお父さんお母さんがテストを見る時には、このはんこは大切な警告となるはずです。なんという先生の深慮遠謀でしょう。孔明も裸足で逃げ出します。でも逃げる時にはガスの元栓を忘れずに。