本年も熱い季節がやってきました。
そう、プロ煮球のシーズンです。シーズンの盛り上がりもさることながら、球を煮沸する湯。
その熱さが、私たちにプロ煮球の感動を伝えてくれます。
さあ、レッツボイルボール!
三重県伊勢市宇治山田をホームとするプロ煮球球団としておなじみのファッターズ。伊勢名物「伊勢うどん」のシンボルキャラクター通り、ボールを太くなるまでじっくり煮込むプレイスタイルは、三重県のみならず全国の幅広いファンを虜にしています。本日はそんなファッターズに注目したいと思います。
球団史
宇治山田ファッターズは、1921年(大正10年)に宇治山田太軍として誕生しました。当時煮球は日本に伝わったばかりですが、伊勢神宮に近いこの地に球団が出来たことは当時様々な論議を呼びました。しかし伊勢うどん店「玉煮屋」の主人浜田山清司郎の鶴の一声で、地元は球団応援で一致することになりました。
しかし創設当初は大企業の後援が得られず、苦しい球団経営を強いられました。鍋なども用意できず、紙を使った紙鍋で湯を沸かすなどのびっくり実験も行ったそうです。しかしうどん店から鍋などの提供を受け、さらにボールとうどんを煮ているところを当局に目撃されて廃業したうどん店から鍋の提供も受け、次第に成績も上昇していきました。
そして、年配のファッターズファンにおなじみの名煮手といえば、鋼島耕治選手です。その制熱力にあふれた火力が持ち味のプレイで、「中火の鋼島」と呼ばれました。そして1952年(昭和27年)には初の日本一。優勝を決めた記念に太軍からファッターズに名称変更しましたが、優勝記念グッズ作成業者に大混乱をもたらしました。この際業者が「太軍」と書いてしまったグッズを大量に不法投棄したのが現在の不法山です。しかし鋼島選手が引退した昭和40年代以降、チームは長い低迷期に入りました。
この雰囲気を一新したのが1978年(昭和53年)の新球場、現在の宇治山田球場、通称フラワースタジアムの完成です。このフラワーはよく花のFlowerと勘違いされるのですが、小麦粉のFlourです。このフラワースタジアムで文字通り粉まみれになった選手達は、煮て、煮て、煮まくる大活躍。なんと5年連続の2位と大躍進。地元もやや控えめながらの大フィーバーとなりました。その後も順調な成績をおさめています。
球団キャラクターのうードン(左)と
うどみちゃん(右)
観戦ガイド
宇治山田ファッターズの応援に行くなら、なんといってもフラワースタジアム!
球を煮る鍋の熱気が伝わってきそうな観客席。もちろん手すりは熱を伝えやすいアルミ製です。
だから、手すりにお茶をおいていると、びっくりするほど熱くなります。夏場の観戦には注意!
そして、フラワースタジアムならではの応援グッズが、あなたの熱気をさらに盛り上げてくれるでしょう!
まずはフラスコ!
そう、手元で手軽にボールが煮られる、球団オリジナルフラスコ!
選手達の煮ボールプレイを見ながら、手元でもボールが煮える!なんて贅沢!やけどに注意!
さらに、文庫本!
そう、単調な試合展開に疲れたとき、本の世界にあなたはトリップ!
心地よい沸騰音があなたの読書を手助けします!
疲れたら枕にするのも、熱せられた手すりを触らざるをえないときに、鍋つかみの要領で!
レッツボイル!
今年の夏も、熱い季節になりそうです!