双葉博士 |
いやー、どうもどうもご心配おかけしましたー。 |
望月委員 |
大丈夫だったんですか、アニサキス。 |
双葉博士 |
ええもうすっかり完全復活で。すっかりリフレッシュしたんで、これからもばんばん怪人作っていきますよー。 |
獅子ヶ島委員 |
リフレッシュねえ。病院ってそんなにリフレッシュするところかね(笑) |
双葉博士 |
あー、知らないんですかー。最近の病院ってすごいんですよー。 もーサービスがすごくてー。 |
望月委員 |
いちおう我々も厚生労働省ですから病院とは関係が深いんですよ。部署こそ違いますが。 |
双葉博士 |
もっと入院中って退屈するかと思ってたんですけどー、もー全然退屈しなくてー。 たとえば点滴とかー。 |
高橋委員 |
点滴? |
双葉博士 |
ほらあたし熱帯魚とか好きじゃないですかー。 |
高橋委員 |
いえ知りませんが。 |
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それがー、点滴の容器の中に熱帯魚が泳いでるんですよー。もーきれいできれいで時間がたつのもあっという間。 |
望月委員 |
…ちょっとその病院の名前教えてもらえますか。 |
双葉博士 |
あー、いいですよー。望月さんもどっか悪いんですかー? 尿管結石ですかー?腎臓結石ですかー? |
望月委員 |
いや行政指導のほうで。 |
高橋委員 |
よく生きてかえってきましたね。 |
双葉博士 |
あははははありがとうございまーす。 |
高橋委員 |
ほめてませんよ。 |
双葉博士 |
でっ!今回の怪人なんですがー!これです!じゃーん!ばばーん!どがーん! |
高橋委員 |
ああうるさい。 |
双葉博士 |
どもーん! 不死鳥人スプリガンオジョー! |
獅子ヶ島委員 |
オジョーって、美空ひばりかね(笑)。 |
双葉博士 |
そう、日本歌謡史に燦然と輝くディーバ、美空ひばり! 前田美波里でもなく青空ひばりでも美空小ひばりでもなく美空ひばり! 女性初の国民栄誉賞に輝く国民的歌手! |
望月委員 |
あの、そういった方を怪人にするのはちょっと。 |
獅子ヶ島委員 |
ディーバ議連とかがうるさそうだしねえ(笑) |
高橋委員 |
そもそも美空ひばりにはディーバという言葉が最も似合いませんよ。 |
双葉博士 |
そういうあらゆる人々の心をゆるがすような美空ひばりを利用しない手はないじゃないかと思いまして。 |
望月委員 |
そういわれましてもねえ。 |
双葉博士 |
彼女の存在感が際立っていて怪人として役立つなら使うべきですよ。際立ってるものは親でも使えというじゃないですか。 |
高橋委員 |
それは言いませんよ。 |
双葉博士 |
得意技は歌!彼女のすべての人の心を震わす歌謡曲で怪人を涙させて視界を奪い去るのです。 |
望月委員 |
相手は人ではなくて怪人なんですが。 |
双葉博士 |
そういう人の心を持たない奴には頭部にセットされた催涙スプレーで強制落涙です。 |
レムミ助手 |
歌の心もへったくれもない措置でっす。 |
望月委員 |
で、あとはどうするんですか。 |
双葉博士 |
はい? |
望月委員 |
いえ、落涙させて視界を奪ったあとはどうするのかと。そのあとにどうやって怪人を退治するのかと。 |
双葉博士 |
やだなあ、望月さん。美空ひばりに暴力は似合いませんよ。 |
望月委員 |
…ないんですか。 |
高橋委員 |
「柔」とか歌ってたんですから「柔道」をつかえるとかぐらいのことは。 |
双葉博士 |
え、そんな曲ありましたっけ? |
獅子ヶ島委員 |
「真っ赤な太陽」で灼熱攻撃とか(笑)「川の流れのように」で洪水攻撃とかだね(笑) |
双葉博士 |
あの、「リンゴの歌」で衣装は赤くしてみたんですけど。 |
望月委員 |
「リンゴの唄」は並木路子ですね。美空ひばりは「リンゴ追分」ですよ。 |
高橋委員 |
…ひょっとして博士、美空ひばりのことを何にも知らないんじゃないんですか。 |
双葉博士 |
そ、そんなことないですよ、美空ひばりというのは戦後に天才少女歌手として一生を風靡して、サトウハチローに批判されて、金魚を生きたまま飲み込むという得意技があって、サイン入りの大正琴が通信販売されて…。 |
獅子ヶ島委員 | 一体誰とまちがってるんだね(笑)。 |
双葉博士 |
歌手として初めて南極点に到達して…ノーベル平和賞を受賞して…一位一刀彫や琉球紅型が得意で…好きなモビルスーツがゲルググで…稲庭うどんで…。 |
レムミ助手 |
博士、再度の入院をおすすめするっす。 |