双葉博士 |
どーですかっ!今回のはっ!もう間違いなくうけますよっ!ええっ! |
望月委員 |
はあ…。 |
双葉博士 |
すしっ!テンプラ!そして蝶々夫人!これぞオリエンタリズムの極致! |
望月委員 |
はあ…まあ…そうなんですが…。
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獅子ヶ島委員 |
蝶々夫人っていってるけど、蛾だよねこれ(笑)。 |
双葉博士 |
いいんですよ。西洋では蛾も蝶も同じようなもんだって言いますし。 |
望月委員 |
まあたしかに生物学上では明確な違いはないそうですが…でもモスとバタフライぐらいの区別は… |
高橋委員 |
フランスやドイツでは区別はないそうですが、会議があるのはレイキャビクですよ。 |
双葉博士 |
レイキャビクって言ったらもうドイツも同じです。 |
高橋委員 |
アイスランドです。 |
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まあそりゃいいんだけどね、ちょっと違うっていうかね(笑)。 |
双葉博士 |
なにがですか。 |
望月委員 |
そうですね、ちょっと日本文化を正しく伝えているとは言い難いかと。 |
双葉博士 |
そりゃいろいろある日本文化をいっぺんに伝えようとしたら、やや誤解が混じるのも仕方のないことだと思いますよ。 |
高橋委員 |
いっぺんに伝えなきゃいいと思うんですけど。 |
双葉博士 |
富士山、箸、天ぷら、眼鏡、首からさげたカメラ、日本刀、スクール水着、手裏剣、昆布巻き、すし、はかま、ゲタ、…一つ一つは正しい日本の姿なんだから大丈夫ですよ。 |
高橋委員 |
スクール水着? |
獅子ヶ島委員 |
ゲタはいいんだけどね、右足のはゲタじゃないじゃないか。 |
双葉博士 |
そう、右と左で履き物が違いますね、そこは日本の誇るジャパニメーションであるサザエさんの特徴、『うっかり』をあらわしています。 |
望月委員 |
ジャパニメーションはそこだけですか。 |
双葉博士 |
これだけ詰め込めば海外うけすること間違い無しです。 |
望月委員 |
うーん、なんといいますかねえ…。 |
獅子ヶ島委員 |
なんというかねえ…(笑) |
高橋委員 |
なんか違うんですよね。 |
双葉博士 |
なんですかなんかって。どこが違うかって言ってくださいよ。 |
望月委員 |
そうですね、なんというか、博士のいつもの怪人らしさがないというか。 |
獅子ヶ島委員 |
なんというか根本的なテーマがないというか。 |
高橋委員 |
基本的に海外に媚びすぎという感じですね。 |
双葉博士 |
ううっ! |
レムミ助手 |
なんかという割には核心を突いてくるものがあるっす。 |
望月委員 |
どうしたんですか、いつもの博士らしくない。 |
獅子ヶ島委員 |
そうだねえ、いつもののびのびとした作品じゃないというか。 |
高橋委員 |
いつもは役に立つ怪人を求められているのに役に立たない怪人を作ってくるのが博士らしさじゃないですか。 |
双葉博士 |
うううううう。 |
レムミ助手 |
博士、どさくさに紛れて皮肉をかまされてまっす。 |
獅子ヶ島委員 |
やっぱりプレッシャーがかかっていたのかねえ(笑)。 |
高橋委員 |
そういえば前回の審査会の帰りに木村博士のことを話したら様子が変わったような。 |
双葉博士 |
うぐっ。 |
獅子ヶ島委員 |
やっぱりなんか因縁があったんだねえ(笑)。 |
双葉博士 |
ううううううう、だってあいつに負けたくなかったんだもんっ。 |
高橋委員 |
負けたくないと思うんだったらちゃんとした怪人を作って、その性能で勝ってください。 |
望月委員 |
負けたくないという思いが先走りすぎて、自分を見失っておられたようですね。 |
双葉博士 |
ううう…これから自分を見つめ直して新しい怪人を作ってきます。 |
高橋委員 |
見つめ直したところでまっとうなものができるかどうかは別ですけどね。 |
望月委員 |
ところでこの腕の入れ墨は何ですかね。 |
双葉博士 |
あ、それは…漢字の田です…。 |
レムミ助手 |
そう、日本マクドナルドの創業者、藤田田の田。 |
高橋委員 |
媚び方も見失ってますね。 |