レムミ助手 |
アイスランドはレイキャビクで開かれる治安用怪人の会議に飛行機で向かう双葉博士の前に現れたのはかつてのライバル・木村コユキ博士だったのであったのであったのであったのでっす。 |
高橋委員 |
ライバルだったんですか。 |
レムミ助手 |
かつて西日本工学技術大学舞踏怪人科でしのぎを削った二人でっす。 |
望月委員 |
舞踏怪人科?
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木村博士 |
ふっ、私のマジカルネバダライダーのアルゼンチンタンゴの破壊力は大学創設以来の伝説を残したのよ。双葉なんかといっしょにされたくはないわ。 |
望月委員 |
破壊力ですか。 |
木村博士 |
そう、たった一回のステップで校舎を半壊させたのよ。 |
望月委員 |
あ、文字通りの破壊力ですか。 |
双葉博士 |
何言ってんのっ!破壊力ぐらい誰でもできるって!あたしの作ったパーセクミドリエジプシャンのコンチネンタルタンゴなんかはたった数ステップで舞踏怪人科を廃しに追いこんだのよっ! |
望月委員 |
…廃止ですか。 |
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目に見えるものを壊すより目に見えない組織や慣習を壊すことのほうが困難なのよっ! |
木村博士 |
ふっ、それもこれもあたしの校舎破壊の実績があってのことじゃないの。 |
双葉博士 |
なによっ!最後のとどめを刺したのはあたしなのよっ! |
望月委員 |
…要するに二人がしのぎを削ることによって大学の学部を一つ消滅させたわけですか。 |
高橋委員 |
こんな二人を日本の代表の端くれに入れなければならない状況を考えると、日本の治安用怪人の未来は真っ暗ですね。 |
レムミ助手 |
見えた光明を消し去ることにかけては他の追随を許さないと定評がありまっす。 |
木村博士 |
ふっ、双葉、あんたとあたしが同じレベルで扱うなんて、つくづく厚生労働省の見る目が無いわね。 |
双葉博士 |
それはこっちのセリフよっ!本当に厚生労働省の審査にはうんざりよっ! |
望月委員 |
その厚生労働省の役人の目の前でよくそんなことが言えますね。 |
高橋委員 |
そういった意味でも同レベルですね。 |
木村博士 |
あたしが学会のはしくれとしたら、あんたは端も端、そう、えーと、あれよ、ほら、食パンの耳よ、耳。 |
双葉博士 |
あたしがはしくれなら、あんたは、えーと、ほら、その、あの、ほら、カステラの端っこについてる紙よっ!紙っ! |
望月委員 |
自分が端くれだってことは認めるんですね。 |
高橋委員 |
あとたとえが下手なのも同じですね。 |
木村博士 |
ふっ、こうなったらここで決着をつけましょう。 |
双葉博士 |
望むところよっ!負けたほうがここから日本に帰国っ!いいわねっ! |
望月委員 |
あの、ご自分達で勝手に予定を変えられても困るんですが。 |
高橋委員 |
だいたいここは飛行機の中なんですけど。 |
木村博士 |
お互いの怪人を繰り出して、勝ったほうが勝ち。いいわね。 |
双葉博士 |
望むところよっ!うけてやるっ! |
望月委員 |
え、怪人乗せてるんですか。 |
高橋委員 |
勝ったほうが勝ちというルールを設定する必要はあるんですか。 |
双葉博士 |
行きなさいレムミっ!熱線銃とマシンガンチェーンソーで奴の怪人を跡形もなくしてやるのよっ! |
望月委員 |
そ、そんなおそろしいものまで装備してるんですか。 |
レムミ助手 |
じゃきーんっ!どちらかというとおそろしいのはこの航空会社の管理体制でっす! |
木村博士 |
ふっ、レムミっ!あんたの技ごときでこの子が倒せるかしらっ! |
リス |
ちー。 |
レムミ助手 |
わー齧歯類でっす。 |
木村博士 |
ふっ、ただの齧歯類と思ったら大間違いよっ!ジュラルミンをも溶かす灼熱ドングリ、ゴム製のタイヤをも引きちぎる高速前歯、ジェット燃料をも爆発させる超電磁スパークを兼ね備えているのよっ! |
望月委員 |
飛行機落とす気まんまんの装備じゃないですかっ! |
テロリスト |
おらあっ!静かにしろっ!この機は我々が乗っ取ったっ! |
双葉博士 |
きゃあああああああっ! |
木村博士 |
ひいいいいいいっ!。 |
高橋委員 |
よく一般人のように恐れおののけますね。 |
テロリスト |
おらあっ!そこの日本人っ!なにガタガタいってやがんだべらぼうめっ! |
レムミ助手 |
さ、行くのでっす。リス。 |
テロリスト |
お、なんだなんだこのリスはおおっぐわぼげがのばごっ! |
リス |
ちー。 |