双葉博士 |
こんにわーさわでぃかーぐーてんもるげーん。カレーはいかがですかー。 |
レムミ助手 |
カレーでっす。 |
双葉博士 |
………。 |
レムミ助手 |
カレーですよー。 |
双葉博士 |
…売れない。 |
レムミ助手 |
商売というものはそうしたものでっす。 |
双葉博士 |
あのね、あたしは博士なのよ博士。カレーを売るために勉強してきた訳じゃないの。 |
レムミ助手 |
もうすこし勉強してきたらこんなことをする羽目にはならなかったかも知れないでっす。 |
コンパニオン |
あのーすいませーん。 |
双葉博士 |
なによ。 |
|
あのー営業許可は出てるんでしょうかー。 |
双葉博士 |
えーと…ちゃんと取りましたよ。保健所の許可…。 |
レムミ助手 |
でも会場の運営側への許可申請はしてないでっす。 |
双葉博士 |
こ、こまるじゃないの。出し忘れは。 |
レムミ助手 |
だって博士が会場の許可を取ったりしていると、上納金を納めないといけないから出さなくていいって。 |
双葉博士 |
な、何言ってんのよ。い、今時そんなヤクザみたいな会場運営しているところがあるわけないじゃないの。 |
コンパニオン |
ないんですね。許可。 |
双葉博士 |
ま、まあそういう見方も出来ないこともないわねえ。 |
コンパニオン |
じゃあこの露店を撤去します。ぴー。 |
双葉博士 |
ああちょっとまってよっ!運営委員のグナイゼナウ博士に聞けばわかるからっ! |
コンパニオン |
グナイゼナウ博士は今ちょうど開会の挨拶をされていますので、連絡は取れません。 |
双葉博士 |
じゃ、じゃあその挨拶が終わる頃に…。 |
コンパニオン |
予定ではあと2時間30分は続く予定です。 |
双葉博士 |
もとは犬だったくせに何をそんなに話す事があるのよ。 |
コンパニオン |
じゃあ、撤去しまーす。ぴー。 |
双葉博士 |
ちょ、ちょっとまってよっ!このカレーを取られたら、あの…はっ。 |
レムミ助手 |
どうかしましたっか。 |
双葉博士 |
怪しい。 |
レムミ助手 |
何がでっすか。 |
双葉博士 |
レムミ、このコンパニオンって、たしかノルウェーの博士が作ったアンドロイドだったわよね。 |
レムミ助手 |
そうでっす。ノルウェーのビョルンソン博士の設計でっす。300体納入したそうでっす。 |
双葉博士 |
ということは、もしテロリストがウィルスかなんかをコンパニオンに仕込めば、操作することもできる…。 |
レムミ助手 |
理論上はそうでっすが、コンパニオンはネットワーク接続されていない上に、一時間ごとに厳しいウィルスチェックを受けていまっす。ハッキングのたぐいは困難でっす。 |
双葉博士 |
その困難だと思うところをついてくるのがテロリストの常套手段でしょうが。 |
レムミ助手 |
はあ、でもどうしてテロリストがコンパニオンを狙うと。 |
双葉博士 |
そんなの正義の味方であるあたしの邪魔をするんだから、悪の組織に操られてるにきまってるじゃないの。 |
高橋委員 |
完全に被害妄想ですね。 |
レムミ助手 |
あ、高橋さん。 |
高橋委員 |
それにしてもグナイゼナウ博士の話、長いわね。あんまり長いから抜け出して来ちゃった。 |
レムミ助手 |
いいんですか。 |
高橋委員 |
いいのよ。どうせ会場の大半の人は貧血で倒れてるし。 |
レムミ助手 |
虚弱な博士達でっす。 |
音 |
どがああっん!!! |
高橋委員 |
!!! |
レムミ助手 |
爆発音でっす! |
高橋委員 |
くっ、テロリストが侵入を…!?博士、行ってみましょうっ! |
双葉博士 |
きっとこのテロリストは警戒しているのがあたしだと知って、あたしの評判をおとしめるためにテロ計画を… |
レムミ助手 |
もうずいぶんと遠いところに行かれてしまったようです。 |