レムミ助手 |
会場暖房用の石油ファンヒーターに灯油ではなくガソリンを入れるという、おそるべき爆発テロが実行されたことにより、今回世界治安用怪人会議の治安対策が問われている昨今。 |
グナイゼナウ博士 |
…。 |
双葉博士 |
…。 |
高橋委員 |
……。 |
レムミ助手 |
治安用怪人会議の議長であるグナイゼナウ博士をはじめとする首脳陣は重苦しい空気に包まれていたでっす。 |
望月委員 |
案内用コンパニオンのウィルスチェックシステムをクラッキングした手口はまだわかっていません。外部から進入した形跡がまったく見られないのです。 |
グナイゼナウ博士 |
……。 |
望月委員 |
また、ファンヒーターに入れられていたガソリンは、アイスランド国内のガソリンに添加される国別認証液体が含まれていません。認証液体を添加していない闇ガソリンを用いた可能性があります。 |
レムミ助手 |
この時代、石油ファンヒーターにガソリンが入れられるというテロに対処するため、ガソリンには供給国を識別可能な認証液体が配合されるようになっているでっす。 |
高橋委員 |
……。 |
|
しかし、ちょっと考えればわかることでっすが、国がわかったところで犯人のあぶり出しには役立たないでっす。ひとつの国で何万人がガソリンを使用していると思うのでっすか。 |
双葉博士 |
……。 |
レムミ助手 |
この事件は認証液体の添加がはじめて役に立ったケースとして、長く語り継がれていくことになるのでっす。 |
望月委員 |
そして私は会議の治安部門の手伝いのために出向しているのです。 |
グナイゼナウ博士 |
みなさん、すいません、私がいたらないばっかりに…。 |
高橋委員 |
議長のせいじゃないですよ。内部にテロリストと関与している博士がいる状況ですから。 |
グナイゼナウ博士 |
せめて、私のもとがシェパードだったら…犯人の臭いをかぎつけられたのに…。 |
レムミ助手 |
ドイツ出身なのに、シェパードじゃないでっすか。 |
グナイゼナウ博士 |
ドイツ原産の犬と言っても、シェパードだけじゃないです…。ポメラニアンやミニチュア・ピンシャーなどあるんです…。 |
レムミ助手 |
そうなんでっすか。 |
グナイゼナウ博士 |
でも私は元は柴犬なんです。 |
レムミ助手 |
和でっすねえ。 |
グナイゼナウ博士 |
そこはかつて日独伊三国同盟を結んでいたということで勘弁してもらいましたが…。 |
レムミ助手 |
次はイタリア抜きでやりたいところでっす。 |
獅子ヶ島委員 |
お、おい、ちょっとみんな。 |
高橋委員 |
どうしたんですか、獅子ヶ島さん。 |
獅子ヶ島委員 |
ヴァ、ヴァシャーリ・ゾルターン博士がっ。 |
高橋委員 |
ヴァシャーリ博士っ!? |
双葉博士 |
……。レムミ。 |
レムミ助手 |
がしゃっがしゃがしゃがしゃがしゃっ…ういーん…。 |
レムミ助手 |
ヴァシャーリ・ゾルターン博士はハンガリー出身の世界的な怪人学の権威。いくつもの怪人学会で名誉顧問を務めておられておりまっす。この国際治安用怪人会議では名誉議長を務めておられまっす。 |
双葉博士 |
…ホントに? |
レムミ助手 |
ほんとでっす。 |
双葉博士 |
どーもどーもゾルターンさーん!いつもウィーン少年合唱団とシンシナティ・レッズとの競演を拝見してますっ。 |
ヴァシャーリ博士 |
は? |
高橋委員 |
レムミの言っていたことは本当ですよ。 |