双葉博士 |
皆さん今日は足元のお悪い中をよくおこしくださいました。 |
獅子ヶ島委員 |
いや、この建物はうちの省の建物なんだがね。 |
双葉博士 |
いいんですよ。慣用句みたいなものですから。 |
高橋委員 |
慣用句の使い方を間違っていませんか。 |
双葉博士 |
何しろ梅雨の時期ですからじめじめじめじめしますねえ。 |
獅子ヶ島委員 |
怪人にカビなんか生やさないで欲しいもんだがね(笑)。 |
双葉博士 |
そのへんはもう安心です。去年までの私とは違います。 |
高橋委員 |
生やしてたんですか去年まで。 |
望月委員 |
昨年の今頃に、カビの怪人が多く暴れまわっていた事件があるんですが、心当たりはないですか。 |
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さあ…私の作ったものでは…ないとは思いますが…。となりの橋本博士の研究所でもカビを生やしていたような気が…することはするんですが… |
高橋委員 |
ちゃんと怪人の廃棄規定は守ってくださいよ。 |
双葉博士 |
まあ過ぎたことはともかく、この部屋の様子、いつもと違うと思いませんか。 |
獅子ヶ島委員 |
別に普段と変わりないように見えるがね。 |
双葉博士 |
いえ、見た目じゃなくてもっとこう雰囲気というか。 |
高橋委員 |
今回もダメだろうなという雰囲気はいつも感じていますが。 |
双葉博士 |
ケンカ売ってるんですか高橋さん。 |
高橋委員 |
そんなことはありません。 |
レムミ助手 |
「高橋委員は3歳の頃から誠道流空手を習っていて、現在では師範代の腕前で」 |
双葉博士 |
…マジ? |
レムミ助手 |
マジっす。 |
獅子ヶ島委員 |
ほんとかね高橋君。 |
高橋委員 |
ええ、でもどうしてその子が知ってるんですか。 |
双葉博士 |
レムミは超高度情報ユニットなので世界中のありとあらゆる情報をデータベースに取り込んでいるのです。 |
獅子ヶ島委員 |
ほう、こんなちっちゃいロボットがねえ。 |
望月委員 |
個人情報保護法に抵触しませんか。 |
レムミ助手 |
大丈夫、さっきそこで話してるのを立ち聞きしただけだから。 |
双葉博士 |
レムミっ! |
高橋委員 |
で、雰囲気の話はどうなったんですか。 |
双葉博士 |
気づきませんか、梅雨のシーズンだというのにこのからっとした空気。 |
獅子ヶ島委員 |
そういやそうだねえ。 |
双葉博士 |
これはすべて、この新作怪人、電人エレキドライの超乾燥力のたまものなのです。 エレキドライは体内の超乾燥剤によって周囲の湿気をあっという間に吸収するのです。 |
獅子ヶ島委員 |
ほう。 |
高橋委員 |
除湿機人間ですか。生活支援怪人開発委員会のほうに持っていかれてはどうですか。 |
双葉博士 |
失礼ですね。私は戦闘用怪人を作ってるんですよ。 |
望月委員 |
いえその乾燥がどういうふうに戦闘に役立つんですか。 |
双葉博士 |
冬場になると自然に空気が乾燥するでしょう。乾燥すると何があありますか。 |
望月委員 |
唇が荒れますね。 |
双葉博士 |
いやそうじゃなくて。 |
高橋委員 |
乾燥肌にもなりますね。 |
双葉博士 |
いえそれでもなくて。 |
高橋委員 |
博士もちょっと乾燥してますね |
双葉博士 |
静電気ですっ!乾燥すると静電気が起こりやすくなりますっ!その静電気で敵のかいじんのですねえええええっ! |
高橋委員 |
それはいいんですが、本日は二体怪人をお持ちになる予定だと聞きましたが。 |
双葉博士 |
ええ。 |
高橋委員 |
その部屋の隅でかさかさに乾いているのはなんですか? |
双葉博士 |
ああああ!強化人間クラゲビワゼリー! |