「やれやれ、きょうはあまりおかゆがうれんかったのう。」 おじいさんはおもいかめをかついで、いえへのみちを いそいでいました。 まちとおじいさんのいえのあいだには おおきなとうげがあります。とうげには、ゆきがふかくつもって、いきかうひともありません。 「あれ、おじぞうさま、なんとまあ。」 ごにんならんだおじぞうさまたちも、ゆきにうもれて さむそうです。 「こりゃあ、おじぞうさまもきのどくだのう。」 おじいさんは、おじぞうさまのあたまにつもった ゆきをていねいにはらいおとしました。 「なんとかして、おじぞうさまにあったまってほしい ものだのう。 」 |